↑ トップ頁へ |
2006.12.25 |
|
|
少子化対策より重要な課題がある…札幌市の合計特殊出生率(1)が、ついに1.0を切り、東京都区部に次ぐ低さということで話題になっているという。少子化対策を急げということで、マスコミが取り上げているのだろうか。気になるのは、どうしてこうなるのかよくわからぬ調の解説と、住みにくい社会を作る政治が悪いからこうなるとの主張の、2パターンが相変わらず聞こえてくる点。 どうかしているのではないか。 札幌市の場合、要因分析(2)から、晩婚化、晩産化、高学歴化、サービス産業化が影響しているのは明確だ。謎でもなんでもない。 要するに、札幌は、学校過多なので若者が多い上、サービス産業が中心というだけのこと。学術都市化を進め、ハイテク・高付加価値サービス産業振興路線を歩んできたのだから、少子化が促進されるのは当然の結果だ。 しかも、共働き不可避の状況にもかかわらず、女性の進出を阻害したい人が多いから、少子化は益々進む。 こんな状況で、少子化の流れに掉さそうというのなら、学術都市化、ハイテク・高付加価値サービス産業振興路線を止めるのが一番。 これが奏功するのは、出生率が高い地域(3)が、沖縄、鹿児島、長崎に集中していることでもわかろう。これらの地域は生活が楽だし、就職も簡単、子供を育てるインフラも揃っているとでも言うつもりなら別だが。 もっとも、東京都の神津島だけは当てはまらないかも知れぬが。 これだけで、何をすべきか、おわかりだと思うのだが。 札幌市は少子化対策に、係わりあっている場合ではなかろう。 最重要課題は、学術都市としての性格を生かした、ハイテク・高付加価値サービス産業振興路線の貫徹だ。これが成功して、都市が繁栄すれば、少子化はあるレベルで留まるということである。 研究者が指摘するように、少子化進行抑制策に力を割くのではなく、“数少ないこどもたちを、大切に産み育てることに重点を置くべき”(2)である。 --- 参照 --- (1) 統計 http://www.city.sapporo.jp/kodomo/jisedai/docs/doutai.xls (2) 原俊彦:「札幌市の少子化: 特徴・背景・政策的対応」[2006.9.23] http://www.scu.ac.jp/faculty/hara/pp/060923simp.ppt (3) http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/hoken04/2.html 侏儒の言葉の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
|
(C) 1999-2006 RandDManagement.com |