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2007.2.19 |
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地域通貨の問題…地域向けフリーペーパーを月2回発行し、その収益を回すことで、一割引き商品券(地域通貨)を販売する事業(1)が失敗したとのニュースが流れた。(2)都内ではフリーペーパーなど珍しいものではない。熾烈な競争状況にあると言ってもよいだろう。クーポン付きなど、あちらこちらで配られており、安くて効果的な宣伝媒体であることを示せなければ、消滅せざるを得ないのが実情だ。 そんな環境下で、どうしてこんなビジネスが成り立つのか疑問である。 しかし、似たような地域通貨ビジネスは結構流行っているのかも知れない。 “商品券に類似したタイプの地域通貨ながら、地元自治体や商店会など公的な支援を受けない珍しいケース”だというから。 う〜む。 地域通貨とは、コミュニティ活動梃入れの一種と思っていたら、色々あるようだ。 それにしても、管理するだけでも、ただならぬ手間がかかるのに、どうして地域通貨を発行したいのだろうか。 地域通貨を発行すると、地域経済の振興・活性化につながるとの主張を見かけるが、全く理解できない。地域内で完結する経済を目指すと、経済発展できるとは、とうてい考えられないからだ。常識からいえば、その逆だろう。 地域の人が地元で消費しないのを止めるために、地元しか通用しない通貨を流通させて、一体どんなメリットがあるというのか。魅力が無いのなら、魅力を上げるために工夫するしかない、というのがビジネスマンの自然な振る舞いと思うが。 さらに、分からないのは、地域通貨でコミュニティが再生するという類の話。相互信頼は、通貨の有無とどうして関係するのだろう。相互信頼の絆が強ければ、もともと通貨など不要なのではないか。 それに、対価を要求する活動をボランティア活動と呼ぶこと自体に疑問を感じるが。 コミュニティ崩壊を止めたいなら、その原因を考え、対処するしかあるまい。地域通貨発行で事態が変わるとは思えない。 と言っても、都会との交流が少ない、経済低迷に苦しむ地域なら、メリットはあるかもしれない。通貨そのものの流通量が少なければ、補助的な通貨が加われば、経済活動が活発化する可能性はありそうだ。 それに、話題性があるから、交流も活発になるかも知れない。 しかし、人々が行き交う都会でそんな効果は期待できまい。 もっとも、こんなことはわかっているが、市場経済の仕組みから外れた活動をすることに意義があると考える人もいそうだ。市場経済の歪が許せないということ。 しかし、そのような活動はかえって事態を悪化させることになろう。 地域通貨は、たいていの場合、今迄の仕事をそのまま続けることを是としがちだ。そのため、生産性向上による低価格化は進まない。新しいモノを出しても、価格をあげるのは難しかろう。商品も同じで、売り方も昔のまま、となりかねない仕組みである。「革新」はが生まれにくいのである。 例えば、ボランティアに地域通貨を払うことで、マンパワーを確保する仕掛けを作ろうとの話を時々耳にする。やる気がある人が集まれば、一時的には、奏功するかもしれないが、一番の問題は「革新」を呼び込めない点にある。 この仕組みでは、大胆に税金でも投入しない限り、介護ロボットは登場しそうにない。安価な量産品を作ろうとする起業家は滅多なことではでてこないし、儲かりそうになければ、投資家も見向きもしないからだ。 市場経済は歪みは大きい。だが、「革新」で生活を豊にしたいなら、これしかない。 良くも悪くも、これが現実である。 --- 参照 --- (1) http://mon.or.jp/index.html (2) 「文京の地域通貨 『mon』発行停止」東京新聞 [2007.2.3] http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20070203/lcl_____tko_____001.shtml 侏儒の言葉の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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