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2007.3.19 |
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東証の体質…相当前のことだが、「東証システム問題」があちらこちらで語られたことがあった。数多くのコメントが紙/誌上を賑わした。しかし、結局のところ、問題点は整理されないままで、うやむやになった感じがする。 “さまざまな人たちが,それぞれの立場で,東証の問題を指摘・・・しかし,「どうすればよいのか」という根本的な解決策は出てこない。”ということ。 これこそ、東証の状況そのものである。ことは、情報システムだけの話ではない。 島田直貴氏の論評(1)が、この問題の本質をついている。 “能力増強を少しずつ積み重ねていくという単純な戦法に終始してきた。・・・そんなやり方は第二次世界大戦で悪名高き「ガダルカナル島の戦い」にも似た無謀さを感じる。”というのだ。 そもそも、とんでもないトラブルである。なにせ、原因が、清算システムの処理能力不足なのである。 処理量が増えることなどわかりきっていること。しかも、問題を発生させた程度の処理データなら、ハードディスク容量からすれば、たいしたものではない。ハードディスク増設など、簡単にできるご時世。どうして、そんなことをしないのか、呆れた人も多かったに違いない。 そうなのである。ここが問題なのだ。 つまり、このシステムは、簡単にハードディスク増設ができない代物なのである。古いシステムをそのまま活かし、変更を加えて、なんとか処理能力を増やしてきたから、こうなるのだ。 スパゲッティコードのプログラムを抱えている可能性もある。 海外の処理能力と比較して、東証が低すぎることを指摘した記事も多かったが、問題を掃き違えている。海外のシステムは、ハードディスクを増設すれば、処理能力は増強できる。 東証の問題はハードディスク容量不足の問題ではないのだ。比較対象にはならない。 それでは、東証はメスを入れたかといえば、そんなことはない。 処理能力増強と、ハード上の障害対策に、巨額投資を始めた。これは、どう見ても、従来路線の踏襲。 結局のところ、“東証は2001年に株式会社化し・・・合理的な経営をうたっているが,あくまで形式の話”ということ。 “東証は世界レベルで見ても代表的な市場でありながら,『市場原理』が働いていないことに問題のルーツがある”のだ。 この組織は、公正な競争と客観的な評価を進める能力を欠くのである。 --- 参照 --- (1) 島田直貴:「東証システム問題を考える」(前・後編) http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20060214/229237/ http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20060214/229285/?ST=system 侏儒の言葉の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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