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2007.7.30 |
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何故、二足歩行なのだろう…何故、日本のロボット研究は二足歩行にこだわるのだろう。その昔は、六本足にも人気があったのだが。実際、購入して研究した企業もあったと聞くが。 昆虫の動きを考えれば、六本足は、決して筋が悪い訳ではない。 二足歩行は重心がフラフラしかねない。 四足歩行も結構不安定だ。「左前-右後」と「右前-左後」を交互に動かすだけのことだから、二足歩行と五十歩百歩。ただ、蛙跳びという例外もあるが。 これに対して、六本足は、2つの三脚を交互に動かす仕組み。三脚はなかなか倒れないから、極めて安定した移動と言えよう。 素人判断だが、コストを抑えた安定歩行を実現したいなら、六本足が一番の近道だと思う。 ただ、二足歩行のような楽しさには欠ける。これが、一番の問題かも知れない。 もっとも、最初に登場した六本足ロボットが、昆虫モデルに近かったから、(1)その後、皆が引いてしまった可能性もありそうだ。 普段は反射神経的に自律歩行していて、問題がでれば、脳が別途対応するという発想に近いから、プログラムに合わせて移動するには恐ろしく面倒な仕組みである。 このことは、二足歩行とは、目的意識を持って移動するのに合う仕組みかも知れない。 それに、安定性を犠牲にすれば、二足歩行は結構効率よい仕組みである。振り子のように足を出すだけで、移動できるからだ。 慣れるには練習は必要だが、ヒトには二足歩行のプログラムが生まれながらに組み込まれているそうである。 これがヒトたる所以ということは間違いないようだ。 ・・・と考えていたら、 ヒトの「二足歩行」とは、長距離移動を可能にするためのもの、という論文(2)が発表されたというニュースが流れてきた。 チンパンジーとヒトが酸素消費量測定マスクをつけて、二足歩行と四足歩行をして、エネルギー消費量を計測した結果である。 そのポイントは、“We were able to show exactly why certain individuals were able to walk bipedally more cheaply than others.”(3) なるほど、そういうことか。 “We and many others have found these adaptations [such as slight increases in hindlimb extension or length] in early hominins, which tells us that energetics played a pretty large role in the evolution of bipedalism.”(4) ということ。 尚、ニホンザルでも、訓練すれば二足歩行ができるそうだ。それは、ニホンザルの普通の歩きとは違って、ヒトの二足歩行に近いという。(5) ヒトはどうして、そこまでして、遠距離移動する必要に迫られたのだろうか。同種に理由無く殺されるから、新天地を探し続けるしかなかったということでなければよいが。 --- 参照 --- (1) R.A.Brooks: “A Robot that Walks: Emergent Behaviors from a Carefully Evolved Network”A.I.Memo 1091 1989年 http://people.csail.mit.edu/brooks/papers/AIM-1091.pdf (2) M. Sockol, D. Raichlen, et.al.: “Chimpanzee locomotor energetics and the origin of human bipedalism” PANS {2007.7.16] http://www.pnas.org/cgi/content/abstract/0703267104v1 (3) “Energy use 'drove human walking'” BBC [2007.7.17] http://news.bbc.co.uk/1/hi/sci/tech/6902379.stm (4) http://uanews.org/cgi-bin/WebObjects/UANews.woa/wa/MainStoryDetails?ArticleID=14030 (5) 平崎鋭矢,他: 「ニホンザルの二足歩行訓練効果」電子情報通信学会技術研究報告 106(330) 29 [2006] http://ci.nii.ac.jp/naid/110004851627/ (ゴリラのイラスト) (C) 素材のプチッチ http://putiya.com/index.html 侏儒の言葉の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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