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2007.12.12 |
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総合スーパーが問題児なのだ…2000年春に「大規模小売店舗法」が緩和された。と言っても、個店で規制せず、街区で規制するようになったというだけのこと。(大規模小売店舗立地法,中心市街地活性化法,改正都市計画法)競争政策の導入という側面もあるが、現実には、郊外の空地や不振な空ビルに投資を呼び込む政策である。そのお陰で、2000〜2006年に、郊外の幹線道路沿に、300以上ものショッピングセンターがオープンした。(1) こうした投資を呼び込むためには、周囲の整備やインフラを整える必要があり、その後の維持費も考えれば、自治体負担は結構重いものがあると思う。しかし、行政には資本コストの感覚は無いから、投資がプラスに働いているか考えることもしないようだ。 部外者から見れば、歪んだ競争状況を生み出したように映るが。 それはともかく、この結果、どうなったか。 右図のように、小売の中核市場の縮小の流れは全く止まっていない。(2) つまり、ショッピングセンターに、この傾向を変える力は無かったということ。 衰退市場での新店舗ラッシュで、店舗過剰状態がさらに進んだというだけのこと。 マクロでは、小売業の資本効率は益々悪化したのは間違いあるまい。 当然ながら、既存小売業者の集合体である商店街は衰退が進んだ。本来なら、新興勢力のショッピングセンターに対して、独自の商店街文化を打ち出すチャンスだったが、そんな動きはついぞみかけなかった。 ともかく、大規模開発を止めさせようという動きだけが目だった。その結果が「改正 まちづくり三法」。 2007年11月施行である。 今度は、新設ショッピングセンターではなく、既存商店街へ、税金を注ぎ込むことになるのだろう。さらなる資本効率低下が進む訳だ。 そもそも、ショッピングセンターが流行るのは、確実に儲かるからである。換言すれば、総合スーパー(GMS)の収益性が余りに低いということ。 だが、その理由は、GMSが余りに高コストで、これと比べれば、新設のショッピングセンターが低コストに見えるというだけのこと。更地を作りやインフラ整備から始めて、見栄えの良い建屋を建築しても、既存の古いGMS店舗より低コストで運営できるというのだから、とんでもなく歪んだ産業構造と言わざるを得まい。 競争政策の出発点は、このような歪んだ競争を止めることだが、小売業界では逆だ。ご都合主義的な行政の方針のお蔭で、歪みは益々進んでいるようだ。 これだけでも部外者には驚きだが、それですまない。 なんと、ショッピングセンターの核店舗をGMSにしたりするからだ。 収益性が悪い店を呼び込んで、儲かる構造にするのだから、恐ろしく筋が悪いビジネスと言わざるを得まい。 早い話、日本流のGMSという業態は、余りに中途半端で、役割を終えているのだ。安価でもなければ、商品の品揃えが豊富でもないし、買い物に便利という程でもない。 魅力といえば、時たま目玉商品が並ぶ位ではないか。なにせ、規模の経済が働かない中小・零細業者より高価な商品も少なくないのである。 こんな状態で、店舗過剰市場で、他業態と勝負になるとは思えまい。 品揃えではドラッグストアやホームセンターとは比較にならないし、業務用食品スーパーや100円バラエティショップに価格ではとても太刀打ちできない。生鮮品では中堅食品スーパーの方が勝っている。より専門性の高い商品や、デザインが要求される分野では、そもそも競争の土俵に乗っていると見なされていない。 要するに、他の店へ行くのが面倒だから、GMSで同時購入する層を主たる顧客層にしているということだろう。これを、ワンストップ・ショッピングの強みと称しているらしいが。 当然ながら、売上げ減少は続く。(3) そして、低収益。 しかも、その利益も本業のGSMではなく、同じ施設内の他店からのテナント料から出ているのかも知れないのだ。 そんなGMSをそのまま生き延びさせようという目論見が続いているようだ。 負債を帳消しにして、なんとか当面の利益を出させたり、ショッピングセンターに組み込むことで、専門店の集客力を利用したりする。 GMSの役割は終わったと考えるなら、できる限り速やかに業態転換を図るのが筋である。それが無理なら、撤退が筋だ。 新陳代謝を抑え、旧態依然たる業種を支援したりすれば、小売業はますますおかしくなること必至だ。 悪貨が良貨を駆逐していくことになりかねない。 --- 参照 --- (1) http://www.jcsc.or.jp/data/sc_state.html (2) 商業動態統計調査 http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syoudou/result/sokuho_2.html (3) 販売統計 日本チェーンストア協会 http://www.jcsa.gr.jp/2_statistics/2_statistics.htm --- 参考 --- スターバックスは全国展開しているが、店舗の住所を眺めると、どこに魅力を感じているか、よくわかる。古いタイプの商店街や、近くの大都市に流れそうな場所には出店していない。 ・消費が盛んな大都市の中心市街地、大規模店舗内、駅近辺に集中的に出店。 ・ショッピング・センター/モールには出店。(基本はイオン系) ・有名観光施設/病院への選択的な出店。 http://www.starbucks.co.jp/search/index.html/ 侏儒の言葉の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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