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2008.3.5 |
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革命的技術待望論の勃興…格差是正が急速に進んでいるなどというと怒る人が多いかもしれないが、それが実態。世界の人口は増え続けているが、それ以上に中産階級人口が増えているからだ。 現在、中産階級はすでに3割に達しており、2020年までに5割を超えるという予測もあるという。 一方、先進国だけ見れば、中産階級から落伍した人達が大勢生まれている。そこだけ見れば中産階級は減っているとなりかねない。従って、この流れはけしからんという勢力も少なくない。 しかし、マクロで見れば、中産階級は激増し、貧困層は減っているのは間違いなかろう。これがグローバル経済の現実である。 ただ、この先も、この流れがスムースに進むかといえば、なんとも言えない。中産階級が“Adjustment”の圧力に晒されるからだ。しかも対応は“expensive”だ。 これ、Moises Naim(Editor in chief, Foreign Policy)の主張。(1) もっともな話。 勝手に要点をまとめれば、こんなところか。 ・すでに、世界は消費ブームのなかにあり、商品価格は高騰一途。 この流れが止まることはなかろう。 ・それは、中産階級のライフスタイルを変えることになる。 生活コストは急速に上昇するし、環境負荷に起因するコスト負担も大きくなる。 ・一方、商品価格高騰は貧困層を直撃する。 その対応に要する政治/経済的コストは膨大なものになろう。 ・調整は今始まったばかり。 抽象化すると、およそインパクトを感じないものになってしまうが、現実感覚をとりいれれば、それがどんなものかわかってくる。 すでに、石炭・鉄鉱石の過半は中国で消費されるようになった。その波は、インド、ブラジル、インドネシアといった人口大国にも及んでいく。 いずれも、発展途上国で生活レベルは低い。グローバル経済化のお蔭で、レベルは向上していくが、先進国の目からみればまだまだ低レベルだ。しかし、後発がゆえに、生活自体は質素でも、先進国のエネルギー消費型社会に急速に移行してしまうのである。 その結果、どうなるか。 先進国の中産階級は現行の多消費型ライフスタイルを続けていけなくなるのである。 ガソリン自動車を乗り回すことなど、余りに贅沢すぎ、滅多にできなくなる時代が来るということ。 かつて、ローマクラブ(2)は“limits to growth”(3)論を展開したが、一番深刻と言われていた食糧問題はグリーン革命(4)で乗り越えることができた。 (もっとも、これを目の敵にする人達もいるが。) それでは、今回は、どのような革命的技術が必要なのか。あるいは不要なのか。 ここらあたりで、じっくり考える必要があるのではないだろうか。 “先進国の中産階級ならでは”のエコライフを、情緒的に賞賛している場合ではないと思うのだが。 --- 参照 --- (1) Moises Naim: “Can the world afford a middle class? Yes, but it will be awfully expensive.” FOREIGN POLICY [ March/April 2008] http://www.foreignpolicy.com/story/cms.php?story_id=4166 (2) http://www.clubofrome.org/ (3) Donella Meadows, etc.: “A Synopsis LIMITS to GROWTH The 30-Year Update” http://www.sustainer.org/pubs/limitstogrowth.pdf (4) Norman Borlaug: “The Green Revolution, Peace, and Humanity” Nobel Lecture [1970.12.11] http://nobelprize.org/nobel_prizes/peace/laureates/1970/borlaug-lecture.html (都会のアイコン) (C) Free-Icon http://free-icon.org/ 侏儒の言葉の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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