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2008.11.20 |
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沖縄の肥満原因を考えてみた…長寿社会沖縄の状況が変わりつつあると言われている。わかったような解説ばかり見かけるが、どこまで本当なのだろう。どうも腹落ち感がわかないのである。ともかくはっきりしているのは、沖縄が日本一の肥満県であることだけ。
だが、脂肪エネルギー比率、野菜摂取量、歩行数、といった指標で見る限り、沖縄の数値が格段に違う訳ではない。 常識からいえば、カロリーの摂りすぎが肥満の直接的な原因だと思うが、データから見るとそんなことも無いらしい。(2) それでは、一体、どういうことなのだろうか。 カロリーを摂りたくなるとか、すぐに太る体質の遺伝子を持つ人もあろうし、頭で食べたくなってしまうなら肥ることは避けられまい。(3)社会の状況が、本能を刺激して、肥満が増えている可能性もあるのかも知れない。 ただ、食に関する統計データが実態と乖離している可能性もないとはいえないし、生活パターンの違いの影響も小さいとは思えない。例えば、以下のようなことが言えそうだから。 体型が東京とはかなり違う感じがする。 ・身長が高くスリムな人は少なく、概ね、がっしりした体格である。 売れ筋商品を見ると、油脂・砂糖分を多くとっていそうだ。 ・単価が低い、大袋/大瓶/業務用缶的な商品が並んでおり、油・調味料の使用量が多そうだ。 (本土の田舎のスーパーの品揃えと似ている。) ・チャンプルー系は炒め物としてはかなり油リッチになっている。 (昔の油使用量はずっと少なかったのでは。) ・油揚げ菓子をよく食べる。 (サーターアンダギーのこと。) ・脂が多い肉に人気が集まっている。本土より安価だから一回に食べる量も多そうだ。 (三枚肉、コンビーフ、ランチョンミート、ベーコン) ・油味噌「アンダンスー」は食卓の定番品らしい。 (味噌を豚脂で炒めたもの。自家用は三枚肉が入っているのが普通とか。) ・食パンにマーガリンを沢山つける食べ方が好きそうだ。 (マーガリンは大型。本土とブランドが違うし、沢山つけがちな風味なのでは。) ・菓子パンから推定するとかなりの甘いもの好きである。 (ピーナッツバタークリーム入り黒糖パンの砂糖まぶしという商品がある。) ・家庭の食事は子供が喜ぶ甘い味付の可能性が高い。 (子供が多い社会である。) 暑いわりには代謝を活発にしそうな香辛料をたいして使わない。 ・コーレーグースとヒバーチ位ではないか。 歩くことが極めて少ない社会だ。 ・電車通勤通学族はモノレール利用の僅かな人のみ。 ・暑いさなか、とても歩けるものではない。 ・バスに乗る人は少なく、タクシーを多用する。 ・車を所有していると、歩ける短距離でも車を使う。 沖縄独特な食のリズムがある。 ・朝食はとらないか、簡素なものになりがち。 ・昼食は格段に重い。 -外食が多く、安くて量があるメニューが喜ばれる。 (蕎麦のような低カロリー食のチョイスを欠く。) -油脂分が多い料理が好まれる。 ・間食好きが多そうだ。 ・夕飯はしっかりした食事にするようで、遅い時間になったりしがち。 ・夜はお酒が入ることも多く、食事と区別しないので、長時間の食事になる。 ・就寝直前に、酒やデザート類をとることも少なくない。 結構不規則な生活かも。 ・タクシー利用のため、深夜まで続く宴会は結構多い。 ・ボーリング、カラオケ、等々、遊びは盛んだから就寝時間は遅い筈。 ・お祭ごとや行事が多く、特別な食事となることが結構多そうだ。 ・雇用状況が悪く、働き盛り層の時間的余裕は少ないかも。 メンタル的にストレスや閉塞感が生まれ易い環境かも知れない。 ・一族の法事や集落コミュニティ活動がまだまだ盛んなようだ。 (那覇は大都会だが、都会型核家族社会になりきっていないかも。) ・気分転換の旅行の習慣はなさそうである。 (外食が気分転換を兼ねていると思われる。) ・低質な住環境に我慢している人も少なくないかも。 (所得水準は低いが、住居費用はそれに対応していない。) 気候的には亜熱帯に近い。 ・本来的には長生きしやすい土地とは思えない。 ・一般に、小太り型が多いのではないか。 全体を眺めると、食事指導で解決する問題ではないような気がする。食については、個人に任せるべきなのではないか。 そんなことより、余裕ある生活が送れるように、経済発展を狙うべきだと思う。簡単なことではないが。 もっとも、日本は、「飽食」の時代の最終局面に達しており、これからは、法律で肥満を取り締まる「法食」の時代ということで、食事指導は致しかたないことかも知れぬが。 --- 参照 --- (1) 平成20年版「食育白書」資料編 内閣府政策統括官[2008.10.28閣議決定] http://www8.cao.go.jp/syokuiku/data/whitepaper/2008/pdf_file/shiryo.pdf (2) 「食習慣と栄養」 沖縄県保険医療福祉財団 http://kenkou-island.or.jp/07kenkouzyouhou/tokusyuu6.html (3) LAURAN NEERGAARD: “Brain's reaction to yummy food may predict weight” AP-Yahoo! [2008.10.16] http://news.yahoo.com/s/ap/20081017/ap_on_he_me/med_obesity_brain Podcast Interview with Eric Stice Science Magazine [2008.10.17] http://www.sciencemag.org/content/vol322/issue5900/images/data/449/DC2/449.mp3 (参考にしたサイト) 沖縄移住生活: 沖縄データ http://www.okinawaiju.net/data/ (病院地図記号のアイコン) (C) Free-Icon http://free-icon.org/ 侏儒の言葉の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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