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2009.5.17
 
 


実践的な豚インフルエンザ対策を…

 関西地区でついに豚インフルエンザ感染が始まった。海外渡航暦なしの患者ということで、対処が遅れたから、ウイルスは相当広範囲に撒き散らされたに違いない。
 こうなることが想定できなかったような報道がなされているが、ホントかね。

 素人が、今迄読んだ記事のポイントを並べてみようか。(情報源を整理していないので、よくわからぬが、海外紙中心かも。)

【空気感染で簡単に広がる。】
   ・メキシコでは感染は広範囲にわたった。
    (豚インフルかはっきりしないが、呼吸器系疾患の発熱患者が急増した。)
   ・濃密接触でなくても、感染する。
   ・医療機関に患者が一斉に集中し、パンク状態もでたようだ。
   ・人々の接触機会を減らすと、感染は下火になった。
【年齢で発症パターンが違う。】
   ・米国の高校例から、この年代は感染し易いと考える人が多い。
   ・発症者を見ると、今迄のインフルエンザと違い、高齢者が少ないようだ。
   ・重症者は10代が多いようである。
【軽症の人が結構多い。】
   ・重症者の割合は低そうだ。
   ・発症直後のタミフル投与で治療可能である。
   ・壮年の場合は症状が軽いことが多い。
   ・罹患しても、発熱しない人がいるようだ。(1)
【ウイルス伝播は速い。】
   ・メキシコから遠く離れた地域でも、突然患者が発生している。
   ・米国の場合、広範囲拡大までに、そう時間はかからなかった。
    罹患地図例・・・“HealthMap‘Swine Flu’” (C) Clark Freifeld and John Brownstein

 もともと、潜伏期間の人は検疫を通過してしまう。しかも、発症しても発熱しなかったり、軽度だと、街を歩き回ったり、会合に出席する可能性は極めて高い。ウイルスを撒き散らす素はかなり多いと予想するのが普通だろう。検疫ばかり力を入れてどうするというのが、素人の感覚である。
 ただ、間違ってはこまるが、上記のほとんどは公的な情報に基づいたものではない。多くは、マスコミの伝聞報道。
 専門家は証拠なき推定話はできないから、上記の情報をもとに判断を下している訳ではないのである。それに、下手に発言すれば、パニックを煽る輩と叩かれるから慎重にならざるを得ない。
 従って、為政者は、様々な情報を眺め、どんな対応がベストか冷静に判断する必要がある。

 関西での発病報道を見る限り、どうもこれができていないようだ。

 印象から言えば、患者を治療するのは現場で、中央政治家の管轄外なので知らん顔という姿勢に映る。マスコミ的に耳目を集めそうなことだけに注力することで政治的得点をかせごうとしているのでなければよいが。
 なにせ、関西の高校にしても、学校は、寝耳に水といったところのようだから。中央政府から、なんの警告やアドバイスもなかったということ。

 今後が思いやられる。
 米国での報道を見ると、軽度なインフルエンザのようだが、重症者は確率的に発生している。それに対して、どう手を打つつもりなのだろうか。まさか未だに無方針ということはないとは思うが、さっぱり動きが聞こえてこない。

 だいたい、それでなくとも混雑している医療機関に、インフルエンザ罹患者が集中したらどうするつもりなのかネ。BBCが、メキシコでの医療機関のパニック状況をそのまま掲示板報道したからわかっていそうなものだが。
 そもそも、政府は、鶏インフルエンザ対策の議論の際、緊急事態対応法の制定を避けた。票につながらない面倒なことは、手抜きということでなければよいが。

 --- 参照 ---
(1) LAWRENCE K. ALTMAN: “Many Swine Flu Cases Have No Fever” NewYorkTimes [2009/05/13]
   http://www.nytimes.com/2009/05/13/health/13fever.html?scp=3&sq=H1N1%20fever&st=cse


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