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2009.6.22
 
 


日記風雑文…

 たまには、お気軽な話でも書いてみるか。
 ・・・と思うようになったのは、検索しても、期待する内容のサイトがさっぱり見つからなくなってきたからである。
 無料サービスだから、小生のように収益に寄与していない人が使いづらいのは致し方ないが、正直、ここまで急激に検索の質が変わるとは予想していなかった。

 検索すると、販売のサイトがずらりと登場することを問題にしているのではない。そんなものは、一瞥すればわかるから、見なければよいだけのこと。厄介なのは、おもわせぶりのタイトルのサイト。とりあえず見ると、コピーした文章と、様々な商品リンクが貼ってあるだけのものだったりする。宣伝スパムメールと同じで迷惑千万。
 そうなると、勘で駄目そうなものを避けるしかない。だが、これがさらなる問題を呼ぶ。個人の主張がありそうなものを選ぶと、いかにも小人数の仲間内だけで盛り上がっているブログにぶち当たるのだ。部外者は疎外感を味わうだけ。
 まあ、日本は、その方向に進んでいるのかも知れぬ。

 それはともかく。日記風に書くとなると、それはそれで結構難しい。
 まあ、とりあえず、生活の一部でも開陳することにするか。

 最近、朝一番に、ベランダのガラス戸を全開するようになった。空気の入れ替えではなく、小鳥の囀りを聞くためである。
 間違えてはこまるが、緑豊かな庭付き一軒屋に住んでいる訳ではない。都会のマンション。

 もちろん、今までも、やってくる鳥はいた。悪さを楽しむカラス、なにかくれないか様子を伺うハト、ウンコを撒き散らす派手なインコの群れ、といったところ。ハトとインコは滅多に来なくなったが、カラスだけは勝手な時にやってきて、一騒ぎして帰っていく。たいていは、木の枝を揺らして大声で叫ぶだけだが、面白くない時は、挿し木を引き抜いたり、植木鉢の砂をばら撒いたりと悪さをしないと収まらないようだ。
 その悪たれ小僧が、どういう風の吹き回しか、大人しくなってきた。餌がなくなり、悪さどころではないということか。
 そのお陰か、車の出入りが減ったせいかわからぬが、小鳥が目立つようになったのである。

 しかも朝一番でやってきて、小一時間留ってピーチクパーチク。鳴き声からみて、スズメ君ではないから、遠くからお出ましのようだ。
 ご近隣で、餌付けしている人はいそうにないし、木は桜や楠。食事に来たのではないだろうから、お散歩か。
 実は、そんな風に思う理由がある。部屋で室内楽を流しているのだが、それに合わせるかのように鳴くからだ。ひょっとしたら、小鳥君は音楽を聴きにきているのではないかと思うほど。

 ちなみに、今日は、天井からAlbrecht Mayerのオーボエが流れ、窓の外からは小鳥君の囀りという状況。
 コーヒーの香りを楽しみながら、イギリスパンのトーストにバターをぬっていると、都会もなかなかものと思ったりする、そんな日曜の朝のひと時である。

 その時、突然、昔のことを思い出したのである。
 そういえば、バターケースを探していたことがあった。市販のバターがそのまま入る、陶器製が欲しかったのだ。ところが、“可愛い”食器や様々なキッチン小物はお店に溢れかえっているのに、バターケースだけは、どこへ行っても売っていなかった。例外は、知る人ぞ知る、フランスの田舎風デザインの食器専門店。
 数種類揃えていたが、どれも、確か\16.800だった。結局、眺めただけ。
 同じような経験をゴミ箱探しでも味わったことがある。機能的で、部屋に合うものを探すのは大変だった。こちらは、まともに見えたものは、数万円の商品しかなかった。
 その時、日本の中流生活の実態がわかった気がした。基本的なものには関心が薄いが、たいした意味のない小物には興味津々ということ。おそらく、どうでもよいものが溢れかえっている状況ではないか。

 キッチン小物商品が好きな人が書いた本を眺めたことがあるが、気になると、商品探しに、デパートから、専門店まで、山手線を乗り継いで、お店を徹底的に見て回るという。どうでもよさそうなモノに、“こだわり”を持つことが重要らしい。
 面白かったのは、そこではなく、この“こだわり”の原点の説明。“シンプル”なライフスタイルを目指しているというのである。

 そうそう、バターケースに関して、現状がどうなっているか、付け加えておこう。
 現時点では、廉価な陶器モノがそれなりに店屋に並ぶようになった。木製のバターナイフも売っていたりする。又、100円ショップには、プラスチック製のバターケースが登場している。落としても壊れないから、料理に使うなら、こちらの方が便利かも。
 中流生活の文化が少しづつではあるが、変わってきたのかも。


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