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2009.9.20
 
 


高齢者の話…

 2009年9月現在で114才の方は世界で5名で、そのうち2名が日本在住。(1)人口の割りに、超長寿者が多い国であるのは間違いないようだ。

 実際、日本のデータを見ると、(2)100歳以上の人口の伸びはすさまじいの一語しか形容のしようがない。

 健康で長生きできるようになるのは喜ばしいことだが、今、60歳で退職する人は、この先40年近い時間が残っているということかも知れぬ。
 そんなことが気になったのは、大企業の関連会社の役員を勤めていた方から、暫くぶりにお電話を頂いたから。

 会社に残ることもできた筈だが、業績が芳しくないのに、たいした仕事もせずに毎日出社することに抵抗感があり、思い切って退職されたようだ。
 しかし、企業の枠組みから離れると、誰も声をかけてくれなくなるらしい。繋がりとして残っているのは、長く手伝っていた、ボランティア同然の公的な仕事だけだとか。
 実にもったいない話だが、日本社会の実態は、コネのネットワークだから、既存の枠組みの中で動かない人は弾き飛ばされるのである。

 従って、このように枠組みから出る人は稀。と言っても、残ったからといって、面白い仕事が回ってくる訳でもないから、肩書きがつきそうな外部組織のポスト争いは熾烈なのだとか。
 実は、そんな話をご高齢の方から聞かされたばかりだったのである。

 日本経済の建て直しのために、徹底した議論をしたいと思ったが、とてもそんな雰囲気では無いという。参加してくる人は、会合を通じて色々とコネを作り、あわよくばポストを狙おうと考えている人ばかりだという。やる気を喪失したそうだ。
 頑張っている中国でもいくかという気分だ、との捨て台詞で話が終わったのだから、相当不愉快なご様子。

 古い仕組みでも、それを突破していく人が、コネを逆用して社会を変えていく動きが生まれるのが日本の特徴と思っていたが、そんな時代は終わったらしい。

 そういえば、相馬雪香さんがお亡くなりになってそろそろ一年。よくは存知あげないが、傑出した人だった。そんな人が次々と消えていく訳だ。
  → 「市井の昭和史 相馬雪香さん(93)」[聴き手: わぐりゆみこ, 場所:憲政会館] (C) NPO「昭和の記憶」

 「難民を助ける会」(3)の会長としての活躍が知られているが、考えてみれば、このような運動にはまったくの素人だった筈。“日本は何もしない”という声を耳にして、立ち上がったのは、70歳近い年齢の時である。そして、96歳でも現役だったと聞く。
 残念ながら、こうした考えかたを受け継ぐのは、高齢層ではなく、一部の若者に限られるようだ。

 --- 参照 ---
(1) [as of 2009.9] “Validated Living Supercentenarians”
  http://www.grg.org/Adams/E.HTM
(2) 「本年度中に百歳になられる高齢者(表彰対象者)は21,603人」厚労省プレスリリース [2009.9.11]
  http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/09/dl/h0911-3g.pdf
(3) 「創設者のことば」 難民を助ける会 会長 相馬雪香
  http://www.aarjapan.gr.jp/info/president.html
【最高齢者の状況】
・“食事や身の回りの世話等全面的な介助を受けな がらの生活ではありますが、
  体調の良い日には車 椅子での散歩を楽しまれたり、
  気分転換のためレ クレーションへ参加するなどして過ごされており ます。”
  (厚労省プレスリリース 2009.9.11)
・[photo] 「お茶を飲んでいる、知念カマさん」 東雲の丘 [2005.07.22]
  http://www.kenshoukai.or.jp/karakorum/2005/07/post_28.html


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