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2010.7.13 |
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港湾だらけ…
特に関心があった訳ではないが、地方版ニュースが騒がしいので、どうなっているのか眺めてみた。 政府の暴挙と言いかねないような姿勢を示す知事もいれば、事業予定がないから影響なしと地元を安心させる発言をしたり、なんとか面倒を見るというような訳のわからなぬ発言まで色々。 一方、選ばれた方は、当然と胸を張るとか、これで弾みがつくという発言が多い。 与党による“政治的配慮”でもあるのかと思い、眺めたが、そんな感じを受けるのは沖縄位。まあ、これは致し方あるまい。自民党王国の山口県で2港が選定されており、まあ、60港を落とすとしたら、こんなところだろう。 しかし、こんなことさえ大騒ぎなのだから思いやられる。表を見てもらえばわかるが、こんな程度で“選択と集中”と呼ぶのだから恐れ入る。まあ、藩の雰囲気が残っているし、道州制ではなく、県毎の税金分捕り合戦なのだからこうなるということか。これでも、政権交代でようやくできたということのようである。 それにしても、日暮れて道遠しだ。 だいたい、重要なものを選ぶという曖昧な言い方がすべてを物語る。まあ、のんびりやりましょうや路線ということ。 “選択と集中”に踏み切るというなら、経済成長に寄与しそうな港湾だけに投資するべきで、数などどうでもよい。そして、停滞しているにもかかわらず維持投資が必要な港湾は廃止方向。廃止費用を出し、機能を近隣港に移設すればよいだけのこと。 常識で考えれば、こうした政策を打ち出さない限りどうにもならない段階にきていることがわかりそうなもの。 どの地方も人口は減るのだ。運搬荷物量は減る一方で、特に、船便の利点が顕著な荷物は、すでに、船も荷物もコンスタントに減っているに違いないのである。合理化が急務なのは自明。 だからこそ、キャパシティ増強とか、新鋭設備導入の港湾が重要になる。集中によるトータルコストを低減できるからだ。これを行うためにはは高コスト港湾の閉鎖が鉄則。 ずるずると非効率な港湾を残せばどうなるか考えるだに恐ろしい。施設を考えてみるだけでわかる筈だ。 航行標識+防波堤+係留施設[岸壁,桟橋] 船舶給水給油設備+廃油処理施設 荷捌場/上屋+保管施設[野積場,倉庫] 機器類[ガントリークレーン,トップリフター] 旅客施設+管理棟+臨港道路 専門家が必要なものが多く、高コスト。しかも、単純肉体労働力を確保する必要がある。この先、どうなるかなど自明。駄目なものは早く見切りをつけるしかないのである。 だいたい、港湾を整備したところで、それで地域が発展する時代ではない。そんなことと関係なく、工場移転や閉鎖はさらに進むだけ。民間投資を呼び込める港など例外的。それが現実。 “虎の子”の港湾を見つけ、それに徹底的に注力するのが筋である。実現性皆無の薔薇色の作文で予算を消化するようなことはいい加減に止めて欲しいものである。 ともかく、表でわかるように、日本は港だらけであり、全てが税金に群がっている訳である。 こちらは閑古鳥の地方飛行場とは違い、面子で続けることはできない。地方商店街のシャッター通りのようにしたくないなら、早く廃港化して地域の転身を図るべきだ思うが。 --- 参照 --- (1) “大臣発言(直轄港湾整備事業に係る選択と集中について)” 国土交通省 [2010年8月3日] http://www.mlit.go.jp/page/kanbo01_hy_001040.html 侏儒の言葉の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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