■■■ 多摩動物公園の見所 2013.5.17 ■■■

   ハナカマキリ

ハナカマキリ(蘭の花擬態の蟷螂)という名前が初耳という方は少ないのでは。
その名前を忘れた方は少なくないと思うが、暗記教育愛好国だから、「擬態」の虫と言われれば写真を思い出す方は少なくなかろう。"昆虫の不思議"として、覚えておくべき用語とされており、ハナカマキリかコノハムシの写真が必ず登場する。両者ともにペットにはよさげだが、擬態としては極端であり、どこにでもいるバッタで説明する方がよいと思うのだが。カムフラージュしているのは自明だし。まあ、素人は余計なことに口を出すなの世界だから、この話はよそう。

ハナカマキリだが、別段、昆虫好きでもない小生にしてから、数回眺めたことがある位。この昆虫は人気があるのは間違いない。ただ、どこで見たのか尋ねられても、記憶が定かでない。おそらく、「こんな凄い昆虫がいるぞ!」的な人寄せイベントではないか。
従って、まだ見たことが無い方は、多摩動物公園へ。常時展示のようだから、一度見ておくとよいだろう。・・・まあ、その程度の昆虫というのが小生の評価だった。(過去形)

しかし、原物とじっくりご対面させて頂くと、それはそれ、新たな感慨が生まれてくるもの。全身が蘭の花そっくりというのはわかっていても、改めて観察すればその意気込みに驚かされる。作りが精巧か否かという話ではなく、ご本人も蘭の花に似せるべく粉骨砕身努力していることがわかるからだ。改めて生きることの凄みを思い起こさせてくれるのである。なにせ、いかにも辛そうな姿勢で一所懸命に、花に見えるように体を動かしているからだ。考えて見れば喰えなけば飢え死にだから当たりなのだが。
提灯鮟鱇のように、餌らしきものをブラブラさせ餌がやってくるまでじっと待っている姿を予想していたから、びっくりしただけのこと。

多摩動物公園の場合だと、こうした感興がさらに増幅されること間違いなし。
とれは、ナナフシ(小枝擬態の昆虫)君もいるから。
竹藪に住んでいる訳でもないし、節が7ッでもないが、名前だけ矢鱈と知られた昆虫である。見たことがあっても、ジロジロと眺めたことはないのでは。羽は退化したということだろうか。こんな体躯である。
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多摩動物公園では、南島の虫展示でも見ることができるところを見ると、コレ是非見てくださいということなのだろうから、じっくり見るとよかろう。この虫君も、ハナカマキリに負けず、日々、頑張っていることがよくわかる。前脚を"ストレッチ"しているからだ。ヒトでも、それはえらい運動。ましてはナナフシ君においては。頭が前脚を伸ばすと邪魔になる筈だからだ。どうなっているのかわからぬが、結構、無理な姿勢をあえてとっているような感じがする。そこまでして、枝らしく見せようと努力しているのである。カマキリとは違い草食の筈だから、目視可能な昼は目立たない場所にいればそこまでしなくてもと思うが、できることは何でもしようという姿勢のようだ。そうそう、真昼間に動く必要も無いと思うが、チョコチョコ動いている。今いる場所は危険と感じあせっているのかも。どうせ、超近視だろうから、どこか良いところはないかと必死の形相だったりして。その辺りは知るよしもないが。

そんなことをつらつら考えてしまるのは、実は、オオコノハギス(木の葉色擬態の超大型キリギリス)達を見たからでもある。
面白いのは、ナナフシとは違い、こちらは、見物人が、一体、どこにいるんだろうネと声をあげること。誰でも、最初に説明を読むから、「大きい」ことを期待してしまう。そしてケージ内を探すのであるが、これがすぐに見つからないのだ。ハハハ。
オーストラリアゾーンの蝦蟇口夜鷹展示と似たところがある。ガラス面の直前にいて、こちらの動きに対応して目が動いたりするにもかかわらず、暗いのでその存在に気付かない人もいる。「今日はいないのかナ」と通りすぎていったり。
と言えば、ご想像がつくと思うjが、予想をはるかにしのぐ大きさで、微動だにしないから、すぐ目の前にいるのに気付かないのである。決して擬態が素晴らしいからではない。
鳥も、ヒトと同じように大きすぎて気付かないということかネ。ただ、臭いと触角で餌を探し回る肉食昆虫にはバレバレだと思うが。
そうそう、キリギリスだそうだから、夜鳴くのだと思うが、この体躯の大きさだから、周囲はどうなのかネ。ギリギリスと呼びたいくらいで、マツムシやコオロギと違って喧しい音を出すのだが。ヒトだととても寝ていられたものではなかろうが、昼行性の虫君達も傍にいそうだが、寝不足にならないのだろうか。

おっと、肝心な展示を忘れてはいけない。「擬態」といえば、ハナカミキリと並び称されるコノハムシ(木の葉っぱ擬態の虫)。
一番ありそうな擬態だが、なんといっても秀逸なのは、全員が個性を主張していること。どれ一つとして同じものはない。バッタとは大いに違うのである。逃げる術を持ち合わせないから、徹底するしかないのだろう。
素人にしてみれば、それぞれが突然変異の変種に映るが、どのような仕組みになっているのだろうか。・・・葉っぱ命でココで生き抜こうとなると、そんなこともできるようになるということか。これも又共生の一種だろう。
ノミやシラミと同じように進化しただけと考えれば、別に驚くような話ではないが、その徹底ぶりには脱帽。


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