■■■ 多摩動物公園の見所 2013.5.18 ■■■

   インドクジャク

知る人ぞ知る多摩動物公園の名物は、放し飼いの孔雀。ケージ内の話ではなく、観客がいる場所で。お気に入りは水牛舎の屋根とシフゾウ広場か。広場を我がもの顔で闊歩していたり、暑いと、サイ広場奥の木陰で休息していたりと気まま。まあ、会おうと思うといなかったり、トイレから出たら居たりと、神出鬼没と見た方がよさそう。

それに、なかなか面白い体質の鳥だ。
話しながら上の空で歩いている人達を見つけると、突然、その前方にトコトコ出てきたりする。そして、あろうことか羽をバサッと広げることも。そりゃ、そんなことをされたら誰だってビックリする。どうも効果がありそうな人を狙っているきらいも。仰天している姿を見て、大いに楽しんでいるのは間違いない。本来は、羽の全開ポーズは繁殖期示威行動なのだとか。従って、滅多に羽は広げないらしい。してみると、実は求愛行動だったりして。

もともとは、50羽以上いたそうだが、流石にそれは止めたようである。まあ、孔雀は鶏の飼育とたいしてかわらないと言われており、餌付けも簡単らしいから、その規模を続けることも可能だったのだろうが、本格的な動物園がこだわるようなものではあるまいということか。
広い公園で放し飼いにして、独特の雰囲気を醸し出すのは、それに向いた施設にまかした方がよかろう。手間がかからない訳ではないのだがら、動物園としてやりたい事の方に注力する方がよさげ。ただ、観客にはえらく人気があるようだから止める訳にもいかなさそうだが。
不思議なのは、多摩動物公園のクジャク君はなんとなくプライドを持っていそうな点。餌ねだりに無闇にヒトに近寄るような素振りは全く無い。それが、多摩の風土なのだろうか。ご立派。

そんなことをついつい感じてしまうのは、放し飼いとは、ある意味、半野生化でもあるからだ。ただ、これには「風土」に規定された流儀がある。
東南アジアの野犬を見たことがあれば、すぐ気付く筈。飼い犬でもないのに、街で勝手に過ごしている。尻尾を巻いた状態で一日中緊張感の欠片さえなくダラダラとして過ごしていそうで、およそ犬らしき「絞まり」なき生活。住人はそうした状態を放置しており、犬もそれに甘んじている訳だ。
勝手にさせて、共存するという場合、本来はこうした野放し生活を意味する。餌をあさると言っても、それはヒトの生活から流れてくるものを頂戴する以外のなにものでもなく、ヒトの生活圏内で生きることになれば、それ以外の手はない。
コレ、極めてアジア的な共生。西欧ではあり得まい

(東京ズーネット ニュース) クジャクの目玉模様はツル園で!──2006/04/07


 多摩動物公園の見所−INDEX >>>    HOME>>>
 (C) 2013 RandDManagement.com