■■■ 多摩動物公園の見所 2013.7.23 ■■■

   林に居ついてしまった鳥、アオサギ

多摩動物公園のサバンナ風運動場の端には何時も沢山のアオサギがペリカンに混じって休んでいる。ペリカン君は鷹揚だから、餌を横取りすべく待ち構えている訳だ。どう見ても、体力的にはペリカン君に分があるが、喧嘩をふっかけたりもしないようだ。
見ていると、ペリカンと悶着を起こさない理由は、両者が似た体質である点もありそう。ともに群れる鳥のようだが、決してまとまって行動している訳ではない。たまたま沢山いるだけで、それぞれ勝手気まま。アイツなかなかうまいことやってるなと思えば、似たことをするが、ヒト真似はお嫌いのようである。ペリカン君は、ベタベタと傍によってくるような輩には突然脅しをかけたりする。なかなか自立心が強いタイプなのである。要するに、お互いかまいっこなしだゼが不文律なのだ。従って、適当な距離感さえ保ってくれるなら、なにをしようとその行動に干渉したりはしないのである。
たまたま一緒に生活しているだけ。それ以上の関係はご免被るといったところ。

まあ、ペリカン君は飼われているから、場所移動はできないが、アオサギ君はどこにでも行けるというのに、ここが気にいって居ついてしまった模様。
なにせ、巣はすぐ南側の林の木々とくる。ポッと飛べばすぐ到着。池もあるし、餌も黙っていても手に入るから実にお気楽な生活である。本来なら、何十キロも離れた場所に餌獲りに出向く鳥なのにこのていたらく。
なんだかね。

よくよく眺めていて初めてわかったのだが、アオサギ君の後頭部に、短い冠羽根が垂れている。逆立てることはできるのだろうか。できないなら、飾りというほどではないし、どういう機能を発揮するのか想像がつかない。コレ、白鷺には無いのである。

なるほど。アオサギこそが、古代の鳥信仰の一端を担っていた鳥か。
ご存知、古事記の天若日子葬儀の場面で、サギは殯屋にてお浄め役[爲掃持]を果たすとされる。霊域に外界の穢れが入らないようにする訳で、いかにも「鳥居」役そのもの。
おそらく、斎木として高い丸柱を立てると、サギが必ずその上に止まったからではないか。その場合のサギは白ではなく、「青丹よし」の青ではなかろうか。もっともアオサギとは名前だけで、現実には灰色にしか見えないが。
もっとも、それは多摩動物公園のアフリカ園で眺めるからかも。ここでは神懸り性ゼロ。

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