表紙 目次 | ■■■ 上野動物園大人向きコース ■■■ 2014.3.28 「寒い日は室内におります」との表示は当然だと思うが、「雨天」の場合はどうなのだろう。 日本人は雨中の外出はできれば控えるようだが、英国紳士は気にしないと習った覚えがある。アンブレラ持参でも、霧雨なら傘をさすこともせず平然と歩くというのである。従って、コートはそれに対応したものになっており、英国製はよくできているから、是非ともご購入をと勧誘されたことは少なからず。 オッと、脱線してしまった。 実は、多摩動物公園で雨にあい、わかったことがある。 かなりの雨だったが、せっかく来たので、傘を借り、ガラガラになってしまった圏内を歩いてみたことがある。 そこでわかったことが、いくつかある。ほんの数例からの勝手な推論だから、正当性の保証はゼロではあるが。 ○日本猿は雨をほとんど気にしていない。 そう考えるのは、上高地で雨に降られた時、こちらはポンチョだけの姿でえらく惨めな状態というのに、小猿が雨中で矢鱈はしゃぎ回っていたシーンを思い出すからでもある。 流石手入れを怠らない毛皮の威力と感服仕り候、という次第。 ○多数派は、雨はお嫌い。我慢の表情だからと勝手に理解しているだけだが。 ○でも、少数派も。 大喜びタイプが存在するのである。これは間違いない。 なんといっても多摩動物公園でビックリしたのは、犀君が嬉しくて、とてもじっとしていられなくなっている姿。 考えてみれば、子供も雨靴にレインコートを着せられたりすると、どういう訳かはしゃいだりするもの。わざわざ水たまりに入って、バシャバシャやって泥だらけに。当然ながら親から大目玉。親は怒り心頭だが、子供は大いに嬉しいのだ。 そういうことを考えると、えらく成る程感あり。 しかし、多摩は敷地が広いので、傘をさして園内を長時間歩く必要があり、雨脚が強いと濡れ鼠間違いなし。このままで帰宅したくないが、他に手は無いのである。コリャ、つらい。 と言えば、賢明な方にはなにが言いたいかおわかりだろう。・・・そう、上野ならそうならないゾという論旨に続くのである。 上野は実に狭い。だが、そのお陰で、土砂降りでない限りは、それほど雨に濡れずに園内を巡れる。つまり、雨中の動物達を眺めるには悪くない場所なのだ。それに、雨天だと、観客は驚くほど少ないのが嬉しい。 さあ、それなら、雨天で上野のどの動物に会いに行くべきか。 ご想像がつくだろうか。 小生の一番のお勧めは雌象達の運動場。正門入ってすぐである。雨中だと、園内より、正門に着くまでの方が問題。 象は昔から動物園の象徴的動物である。巨大でしかも滅多にない形態だし、大人しいからだろう。象さんあっての動物園というのが、日本のコンセプトでは。 しかし、一歩間違えれば、象使いの見世物になりかねない要素を孕んでいることに注意すべきだと思う。運動場があったところで、ほったらかしにした展示だと、象君がそこで活き活きと動き回ることは稀だからだ。 寝ていることはないが、いかにも時間潰しに同じコースを徘徊するだけとか、舎への入り口で扉が開くのを待ち続けていることが余りに多すぎる。多分、楽しみは舎内の夕食だけなのだ。 ところが雨が降ると、そんな感情がすべて消え去り、愉しくてしかたがなくなるようだ。野生の時からの、待ちに待った雨到来の喜びが、体から生まれてくるのではなかろうか。 上野動物園の象の運動場は、こんな時に絶大な威力を発揮する。敷地不足でも、雄隔離の当たり前の原則を貫きながら、それなりの施設を作れたことが大いに寄与している。雨中で、仲良し雌象が全員集合して、水辺で戯れる姿を「眼前」で眺めることができるのはこのお陰。 水浴び、泥浴び、はては、鼻を伸ばして水辺の上の方にある葉を取ろうと、鼻を大きく動かす様子を、すべて見ることができる。ともあれ、なにをするにしても、実に愉しそうなのだ。見ている方も幸せである。 これだけで十分価値があろう。あとはオマケと考えるべし。 ただ、雨好き動物としてはバク君とカバ君もあげておかねばなるまい。特に、普段のアメリカバク君の場合、寝ているか、部屋への入り口にいるだけのことが多い。ところが、「雨中の獏」は様変わりなのだ。欣喜雀躍状態で目の色が違っていそう。(カピバラ、ラマとの混合飼育のため、見れないこともある。) 河馬は気が小さいと言われているが、雨が降ってくると、周囲はどうでもよくなるのかも。大ハシャギの感あり。でも、くたびれて寝てしまったり。よく寝る体質は、晴天の時となんらかわらない訳である。 動物園の見所−INDEX >>> HOME>>> (C) 2014 RandDManagement.com |