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■■■ 上野動物園大人向きコース ■■■
2014.5.27

よんきびう隊感覚に浸る

馬鹿馬鹿しいので、余りテレビを見なくなったが、馬鹿馬鹿しいので、かえって見る気になった番組もある。

正直に言えば、朝の音楽番組が終わって、そのままにしておくと五月蠅いので、チャンネルを替えた結果にすぎぬが。
でも、見始めると癖になる。

その番組名だが、どうも、放送局と時間だけでよいようだ。NHK教育テレビジョンだが、最近はそう呼んではいけないらしい。

 Eテレ 0655

わざわざ朝早くこれを見ようと待ち構えている素っ頓狂な人も稀とおもっていたら、<動物園へ行こう>作成者氏がお好みなのを知って驚いた。

以下の歌のファンなのだ。
 「進め!よんきびう隊の歌
  歌:よんきびう混成合唱団
  作詞・作曲:堀江由朗/うちのますみ/佐藤雅彦
  原画:うちのますみ
  アニメ―ション:永迫志乃
  出演:カブトむし五郎、草野カメヒト、ペン田銀三、カピバラねず実、鹿野つのお


ハハハ。

その気持ちよくわかる。

上野動物園の正門横に小さな運動場がある。皆、パンダ舎へ進むので眺める人は僅かだし、来ても行き止まりなのですぐに帰ってしまうから、のんびりと動物を眺めるにはうってつけ。
ここには、エゾシカのトン翁とニホンカモシカのナギ少年がいる。
・・・なんだ、よんきびう隊じゃないかと言う訳。

要するに、動物園用語では混合飼育方式が採用されているということ。
小生が見たところ、両者の仲は良いとは思えなかった。と言っても、互いに嫌っている訳でもなさそう。それなりの緊張関係の下で生活しているとお見受けした。

崖をサッとよじ登れるカモシカ君は上の方に、地面ではエゾシカ爺さんというルールが一応できあがっていそう。緊張関係といっても、いたっておだやかな雰囲気である。しかし、時にそんなルールも破られるから、そうなるとちょっとした動きがある訳だ。
でも、互いにだんだんと慣れつつあるようだ。
と言うのは、よくよく見ていると、離れているにもかかわらず、動きがシンクロナイズしていたりするからだ。

両者ともに、本来は群れで暮らす動物。シンクロできることこそが、生きている証だろうし、愉しいのではなかろうか。
多摩動物公園だと、群れだから、一斉にこちらを見つめたり、逆にソッポを向いたりするもの。互いにつっつきあったりしていると、全く知らん顔の時も。それがあるべき飼育状態の気がする。
一頭飼育はいかにも不憫。種が違っても、孤独よりはズッとましだろう。そのうち、互いに同族扱いするようになる可能性もあるのでは。なにせ、行動がシンクロし始めたのだから。
そんな姿を眺めるのは、なかなか面白いもの。

西園北側では、ハートマンヤマシマウマバーバリーシープが同居している。地面の面積からすると、頭数密度は結構高いが、岩山擬き場所がしつらえてあるので、バーバリーシープはそちらですごしていればなんということはない。
ところが、微妙な緊張関係を保ちながら地面にいるのも愉しいようである。
そんなことができるのは、両者の一頭どうしが仲良しだからでもあろう。シープがシマウマに近寄り、大きな角をスリスリするのである。誕生直後母親が死亡したので、幼児の頃からシマウマに甘えていたのがそのまま治らないというところか。
もちろん、他のシープやシマウマはそれを見て見ぬふり。

気にしていそうなのは、状況が全く見えない筈のお隣の区画にいるシマウマ君。柵のソバによって様子を伺っていたり。
顔からして皆同じにしか見えないが、実は、それぞれ個性豊かな動物ということ。

そうそう、東園では、カピバラファミリーと、ラマバクが運動場兼餌場を共用している。交代出場制だが、ラマ君と一緒だとカピバラ君の表情に緊張感が見てとれる。
バクはヌーとした脱力感溢れる表情をしており、ボーとした感じのカビバラ体質とよく似ていそうだが、ラマは違うのだ。目をキラキラさせて大きく見開いており、好奇心旺盛な感じ。たまにはカピバラ達を追いかけて遊んでみるかと考えかねないのでは。そりゃ、カピバラ君、気が抜ける訳がなかろう。

もっとも、一番のハラハラドキドキは飼育担当者の可能性大ではあるが。

でもそれだけのことはある。
混合飼育状況での動物の様子を見に行くのは、結構愉しいものだからだ。

もっとも、すべてという訳ではない。
地上と樹上で棲み分けタイプの混合飼育だと、特段の面白味はないからだ。端から、両者は無関心を装っているし、地上の方が矢鱈に動き回っていると五月蠅い感が強すぎるのである。
ただ、上野動物園の場合は土地が狭いから、飼育場の面積をかせぐために必要かも知れぬが。

しかし、ケージが広くなれば動物もハッピーになるとは限るまい。

多摩動物公園と上野動物園で、トラを比較してみると、その環境は天と地の開きがある。だが、幸福度は逆のような気がする。

多摩は狭くて貧相な環境。しかも、すべてが丸見え状態。にもかかわらず、ボールで遊んだり、水風呂に浸かってみたり、はたまた見物人を眺めてみたりと、それなりに生活を楽しんでいそう。
これに対し、上野は施設は立派。トラの立場で考え抜いて作った感じがする秀作である。見物人の目線が届かない場所もあるのだが、相当にイライラしていそう。同じところの徘徊行動が矢鱈目立つからである。
ところが、遠くからボケーと眺めていた小生のところに突然やってきたりすることも。寝転がってしばし毛繕い。それが、人が集まってきたら再び徘徊場所に戻ったのである。途切れない観客に辟易しているのではないか。

飼育動物が、どんな環境がお好みかは、一般論では語れない気がする。余りに個体差が大きそうな感じがするからだ。それを察することができるかが、動物愛護の基本ではなかろうか。

(blog) 「号令」 2014-05-26 07:34 | 上野動物園 @動物園へ行こう fuchaka.exblog.jp

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