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■■■ 多摩動物公園の見所 ■■■
2018.2.26

蒙古野馬[続]

多摩の「アジアの平原」展示は残念賞に決定。政治的には敢闘賞だが。
狼の話ではなく、"世界で唯一残る野生種の馬"の方。[→]

蒙古野馬/Przewalski's horseは野生種ではないとの研究成果が発表されたのである。・・・遺跡[カザフスタン北部Botai]から出土した家畜馬の子孫であることが判明したそうである。現時点で世界最古の5,500年前の家畜馬と認定されているようだ。
つまり、蒙古野馬とは家畜馬が野生化した種だったのである。
"Ancient DNA upends the horse family tree" By Elizabeth Pennisi, Science, Feb. 22, 2018

ゲノム解析され、人為的に復活させた野生種として確固たる地位を築いており、世界中で争うが如くに頭数を増やしていたのにもかかわらずだ。
"Domesticated and Wild Horses Remain Connected By Strong Genetic Link" By Samantha Mathewson Nature World News Sep 24, 2015

イヤ〜、観客がほとんどいない、こじんまりとして閑散そのものだった以前の運動場の方がよかった訳だネ。当時は手を振るとやって来たり、グルグル回りを披露してくれたりして、野生にしては随分ヒト慣れしており、コリャ、"蒙古の馬"だな感があった。それはそれで楽しかったが。
正直な感覚では、どう見ても野生的風情に欠けていたのである。ヒトの直観はなかなかと感服。

そう思うのは、お隣同士になってしまった狼一家の沈滞した雰囲気が印象的だからでもある。こちらは、いかにもヒトは嫌いだゾと主張していそうな動物。恐らく「アジアの平原」移転には徹頭徹尾抵抗した筈だ。ヒトが作った"素晴らしき"環境で住まうことを暴力的に強制されたことを語っているかの如く、檻で哭いたり、運動場では以前のような緊張感を見せず揃って意気喪失のご様子だったから。いかにも犬にならなかった狼族らしさ紛々。
勝手な見方だが。

実は、驚かされたのは、蒙古の野生馬が家畜馬の末裔だった点ではない。

分岐から見て、"蒙古野馬"は現生の家畜馬とは別系統だというのである。そうなると、現在の馬が家畜化された場所は中央アジアではないことになる。
と言うことは、ボデッとした体形の"蒙古野馬"は乳馬としての家畜で、現行の馬は騎馬系家畜かも知れないのだ。
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