---変わる軍事技術

            94年の国防長官ポリシー・ステートメントの意味

 ペリー国防長官が94年に出した、軍用品のスペックと標準に関するポリシーステートメントが、米国の軍事技術政策を変えた。

 DODは、この方針に基づき、民生技術の利用と民間並のビジネスライクの調達を進める方針に大転換を図った。文字通りに受けとめれば、このことは、MILスペックを核とした軍亊技術体系の廃止を意味する。

 ソ連との軍亊競争が不用になっにため、うなぎ登りのコストアップに耐えてまで、モノの保証にこだわる必要がなくなったといえよう。

 この方針転換で、半導体メーカーは民生用の品質規格で納入が可能になったから、民生と軍用を製造面では同一扱いできることになる。この分野では、従来の軍事技術体系は消滅することになる。
 即ち、米国の軍事技術は、高度なモノ作りから、高度なソフト開発に重点を移してきたと言える。個々の部品はできる限り民生品レベルで調達しようと考えているのだ。そのレベルの部品を用いて、ソフト開発により、高度な機能を発揮させる方針といえよう。

 湾岸戦争やコソボ紛争で明瞭になったが、米国は精密誘導型兵器の頻繁使用ができる体制構築を進めている。それには、使い捨て型破壊用兵器を沢山揃える必要がある。それなりの効果が狙えて、安価な兵器にするには、どうしても安価な民生品が利用したいというのが、底流にあるニーズといえよう。
 民生の技術が進んだから利用したいというより、高額につく軍事技術利用は懐が許さなくなったということだ。
 一方、こうした高度な兵器を支える情報通信システムは、従来以上に強化される。

 安全保障の観点から見ても、国家の生命線たる情報通信インフラ防衛が重要だ。軍が情報通信技術研究に注力していくのは当然のことといえよう。

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