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2000.11.5
 
 


頑張る通産省 (1)…

 ベンチャー・ビジネス振興は通産省が昔から試みてきた「永遠のテーマ」である。なかなか機能しないのは、従来型政策立案方法が通用しない点にある。大企業の代表を集めて議論しても、本当に効果があがる施策は打ち出しにくい。ベンチャーによる新市場創出は、大企業の事業基盤動揺に繋がることが多いからだ。財界トップが「ベンチャー振興」と発言しても、大企業がベンチャーを支援するとは限らない。

 通産省も大企業が消極的であるという現実を直視するようになった。次世紀を目前に控え、このままでは埒があかないと見たようで、大企業に頼らず、「本気」になってベンチャー振興を始めたようだ。ベンチャー勃興のバリアを突破するための法的整備と支援策が広範囲に用意されている。(通産省 「創業ベンチャー企業施策の課題と平成13年度の対応」 2000年)

 施策は、資金調達、人材確保、技術開発支援、マネジメントスキル提供という視点から展開されている。米国の例をもとに、日本でできそうな施策を徹底的に追及した感がある。しかも、今までの省庁の政策展開スピードを超える動きだ。

 98年には新事業創出促進法を作り、中小企業基本法を改訂した。「大企業に比べ力不足の中小企業を支援せねば」という考え方から脱皮した画期的な動きだ。飛躍する企業を生み出す仕組み作りへと大きく政策転換した。この流れにのり、99/00年に資金面での施策を強力に展開し始めている。

 ・マザーズ(Nov., 1999)、ナスダック・ジャパン (June, 2000)が創設され、ベンチャーキャピタルは投資回収が容易になった。
 ・直接金融制度の強化が図られた。(中小企業総合事業団のVC出資、信用保証協会の私募債発行保証、エンジェル税制)
 ・創業/新事業/新規開業への間接金融にも、特別融資・信用枠拡大・無担保/債務保証とかつてない積極策がとられた。

 間違い無く、このチャンスを生かそうという人達は増えるだろう。これで、新規創業の数は増えるだろう。しかし、それがテック・ベンチャー育成にプラスに働くという保証はない。


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