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2002.9.25
 
 


ベンチャーキャピタリストの役割(続)…

  産総研関西センター内にあるアンジェスエムジー(旧メドジーンバイオサイエンス)(http://www.anges-mg.com/) が2002年9月25日に東証マザーズに上場し、初値は、売出価格22万円を大幅に上回る40万円になった。開発マイルストーン毎に製薬企業から入る資金と、上市後のロイヤリティ収入を経営基盤とするベンチャーだが、価格割れが続いていたIPO市場にもかかわらず、人気が集まったようだ。
 このベンチャーは、TLOの仕組みを使って、大阪大学森下助教授が1999年に設立したものだ。大学や研究機関のアウトプットを事業に結びつけるべく、支援を進めてきたきた人達は安堵したであろう。  2005年に上市予定の血管再生医薬の成功見込みをどう見るかは別として、このような挑戦こそ、大学発ベンチャーの活躍領域といえよう。

 このような挑戦が続けばよいが、現実を見ると、期待薄と言わざるをえない。

 大学発ベンチャーの企画といっても、技術アドバイスサービスや、企業の製造工程改良支援だったりする。実態は、大学教官のパートタイム業務である。
 一方、特殊な市場を対象とした商品開発もある。ニッチ狙いの戦略かと思いきや、企業が魅力が薄いと判断し、大学に声をかけた企画だったりする。
 市場はどうなっているのか?技術が活かせる可能性は?競争していけるのか?・・・といった基本的な分析が難しいのか、ビジネス展望が見えない企画が多い。

 にもかかわらず、コネに頼ったり、無審査に近い組織から少額の資金を調達してベンチャーを設立しようと急ぐ。少額の資金で出発すれば、すぐに増資が必要となる。しかし、曖昧な計画に投資するキャピタリストは見つかるまい。先は暗い。

 企画段階からベンチャーキャピタリストや適切なアドバイザーが加わっていれば、このようなことはありえない。ここが、大学発ベンチャーの弱点だ。

 創薬のような、ファンダメンタルな革新を狙うベンチャーなら、上場時でも売上ゼロだ。「自社の魅力」が投資家に納得してもらえなければすぐに行き詰まる。従って、一番最初の企画の磨き込みは最重要といえる。
 ところが、この段階から支援できるベンチャーキャピタリストやアドバイサーの数が少ない。日本のベンチャーキャピタリストの主流は、日銭を稼げるサービス業を対象としており、ハイリスクの技術ベンチャーを避け続けているからだ。

 アンジェスエムジーのIPO成功で、こうした潮流が変わればよいが。


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