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2003.7.10
 
 


SUPINFOCOMの衝撃(その2:地域開発)…

 SUPINFOCOMが如何にクリエイティブかは、お洒落なウエブを眺めれば、一目瞭然である。 (http://www.supinfocom.fr/)
 しかし、コンピュータ・グラフィックの新しい技術を生み出す機能がある訳でも無いし、応用産業を作り出す機能も無い。世界から注目を浴びるが、所詮は、高度なスキルを持つプロを輩出するだけの、コンピュータ・グラフィック・クリエーター専門養成機関だ、と言われかねまい。

 ところが、SUPINFOCOMの意義は、これだけではない。地域開発に歩調を合わせ発展してきたからである。
 仏のプロバンス地方Arles(アルル)の、マルチメディア産業振興計画の一部として動いて来たのである。

 言うまでもなく、産業を創出するためには、様々な機能を揃える必要がある。そして、その機能が相互に絡みあい、好循環が発生すると、産業が爆発的に伸張することが知られている。アルルは、こうした発展を狙って、Digital City化を図ったのである。
 [大学等:University Institute of Technology: 3D image, National Photography School of Arles/Compute Science University Technical Instituer: digital imaginga, University of Provence: Department of Sound and Image](http://www.investinprovence.com/eng/excellence/multimedia.html)

 従って、SUPINFOCOMが注目を浴びれば、その周囲の企業や大学のレベルも自動的に上がることになる。又、クリエーターとオペレーターがどのように協力すると、質が高く、効率的に事業が進むかのスキルも蓄積することができた。

 日本の場合は、こうした環境とは正反対である。オペレーターがクリエーターを兼ねた状態だったりする。一方、アニメ映画の描画者はコンピュータ・グラフィックと全く係わりない世界にいたりする。関係する機能がダイナミックに繋がる状態とは、程遠い。それぞれが、閉じた独特の世界で活躍するのである。
 それぞれ、狭い世界のなかで、職人が技を競っているようなものだ。
 仏の動きとは、全く違う。

 そして、2000年からは、ベルギー国境に近いValenciennes地域に移って来た。
 こちらも、地域開発型の動きである。デジタルデザイン化を進めようと考えているのだ。ゲームのSIPINFORCOM、情報のInstitut Informatique et entreprises、デザインのISDなど、様々なジャンルとの協力関係をつくりあげる計画のようだ。(http://www.valenciennes.cci.fr/index.html)

 このような産業や技術の壁を乗り越えた動きが新産業勃興に繋がるのである。
 アパレル企画が全デジタル化してもおかしくないのだから、コンピュータ・グラフィック中心に異質機能の集積に成功すれば、全く新しい産業が生まれるかもしれない。

 SUPINFOCOMの動きを見ていると、日本の産業の仕組みや、日本が誇る「強さ」に、旧態依然たる印象を受ける。
 仏の動きが成功するとは限らないが、日本の「強い」産業が、今のやり方を続けていれば、早晩衰退するのは間違いあるまい。


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