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■■■ 現代養生訓 [2019.3.20] ■■■
鯖缶偏食

突然のことで驚いた。
拙宅に三陸から直送の"脂がのった"鯖水煮缶詰が宅配便で到着。長期保存可能とはいえ2ダース。
鯖缶詰に格段の興味は覚えないが、これほど多いとハテサテどうするかと思案を巡らすことになる。

それにしても、これほどメジャーな食材になるとは。

TVで話題になると、すぐに皆で嬉しがって真似する社会だから当然の流れ。と言うか、そんな風土を嫌ったりすると角が立つ訳で、楽しんで生活できないとえらく住み辛い。
しかし、モノには限度があろう。それこそが現代養生訓にあげるべき一言ではなかろうか。

鯖缶が品切れ状態という驚くべき時期があり、鯖を喰い尽くすような勢いだった。それは今もって止まらないようだ。
おそらく、大半の人は鯖缶など好きではない筈。
小生は、鮨なら、光モノか赤味の鉄火で済ませたいクチなので、時々、鯖の水煮缶をも"愉しく"食べて来た。しかし、骨の食感は大好きなものの、「断然、美味い!」と言うレベルではない。「断然、安価!」だったことは確かだが。

"DHA+EPA"が多いので食べなければということで生まれた流行だろうが、それ程気になるなら、サプリメントにしたらよさそうなもの。

と言うのは、偏った食事はリスクが増えるからだ。

そう思うのは、リノール酸過剰摂取の食生活を増進させている可能性を感じるから。それが、何をもたらすのか考えてみればわかりそうなものだ。
もっとも、リスク覚悟の痩身食のせいとの話もあるが。

脂は取るべきだが、その結果、健康リスクを増やしていないか注意を怠るべきではなかろう。

食が細すぎる老人は別だが、一般には油系の食事が多くなりがちで、カロリーの問題は別として、自動的にω-6系脂肪酸がかなりの量入って来ている状況に目を向けておく必要があろう。と言っても、その絶対量自体を問題視している訳ではない。

考えておくべき点とは、ω-6[リノール酸, アラキドン酸]系とω-3系[α-リノレン酸→EPA→DHA]の量的バランス。
前者は、現代の健康を気遣った食生活だと、黙っていてもかなり摂取している。これに対して、後者はもともと食材含有量が少ないので過少になりがち。従って、後者を増やそうという考え方は悪くない。
しかし、ω-3系の脂肪酸は身体に良いということで多く摂っても、ω-6系もさらに多く摂ってしまうと、バランスが改善しているとは限らない。

臨床データは多くはないようだが、このバランスを欠くと健康上のマイナス効果は間違い無く生まれる。

世の中を見回すと、これが引き起こしている問題はことのほか大きい気がするが、果たして如何なものか。

最優先すべきは、ω-6系脂肪酸の過剰摂取防止ではなかろうか。

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