↑ トップ頁へ |
2002.8.11 |
|
|
中国脅威論(3)…具体的に、中国企業の弱みがいくつか指摘されている。検討の結果、日本市場への中国製品浸透の脅威は無いとする。先ず、「中国製が使えるのは目に見えない部分だけ」だから脅威にならないと主張する。 確かに、現時点の自動車で見れば、細々とした内装部品の品質差は大きい。ここだけ見れば、日本企業の競争力は高い。 しかし、オートバイはどうだろう。日本企業はアジア市場でシェアを失い、利益も削られているのに対して、中国企業は好調だ。市場では、日本製と中国製の品質差は僅かと言われ始めてたから事態は深刻である。品質の観点だけなら、中国製が日本市場に受け入れられる可能性が高い。 電気製品はどうか。もはや、ブランド名を隠せば、何処製か全くわからない製品が多い。最大のセグメントである普及品で、中国企業の製品が売れるのは、安価・高品質が理由であり、激安が理由ではなくなった。逆に、日本企業の低価格品の品質の方が落ち込んでいるようだ。利益を出すために、作りこみの余裕がなくなっているからだ。低価格オーディオ製品で世界を席巻した日本企業の経営不振状況を見れば、競争力低下ははっきりしているといえよう。 要するに、数万点もの部品調達が必要な産業では、すべてのインフラが整えきれないから、力が発揮できないのだ。一方、部品数が少ない製品分野では、すべてで急速に高品質化が進んでいる。「中国製は使える」のだ。 次ぎなる主張は、日本市場は「日本以外のアジアブランドは受け入れない」だ。どこにそのような証拠があるのだろう。 ユニクロは、わざわざ「中国製」をうたい文句にして日本市場を席巻した。業界人は、安物の中国製アパレルは魅力無しと語っていたが、実際は全く逆だった。といっても、ユニクロはあくまでも「日本企業製」だ。アジア企業製が市場に浸透できるとの証拠ではない。 しかし、一部の業界や特定の企業を除けば、大半の日本企業は、ブランドの特徴に乏しい全社横並び製品を提供してきたといえる。そのような状況で、「日本製」にブランド力があるとはいえまい。 例えば、安価な時計で「日本企業製」としたところで、十分なプレミアム価格などとれまい。ブランド力を持つAVメーカーでさえ、十分な価格プレミアムがとれないのが現状だ。品質や機能差が無いとわかれば、「日本企業製」の魅力は失われる、と見るのが自然ではなかろうか。 安価・高品質な中国製品が登場すれば、「日本企業製」訴求だけでは勝ち目は無さそうである。 アジアの先進性の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
|
(C) 1999-2004 RandDManagement.com |