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2004.6.9 |
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自動車軽量化による産業構造変化…米国でハイブリッド車への関心が急速に高まっているようだ。新モデルがこれから次々と登場する。(1) とはいえ、市場全体から見れば、ハイブリッド車は1%にも満たない数である。 当然だと思う。燃費が向上するといっても、助成金を加味しても車の単価が高すぎて、利用者の経済的メリットが生まれるほどにはなっていないからだ。 しかも、米国政府は助成金をなくす姿勢だから、価格が下がらない限り普及は進むまい。 しかも、ハイブリッドのファンが、自分の車の燃費表示計を示して、低燃費化は机上の話で、現実の効果はそれほどでない、と主張している。(2) 燃費効果が薄いとの話しが本当なら、試験方式を実使用に合うように改めるか、さらなる燃費向上を図るしかあるまい。それができないなら、普及どころの話しではなかろう。 ガソリン価格が高騰しているから、低燃費車への流れは益々強くなるが、今のままなら、ハイブリッドには進まないかもしれない。コストパフォーマンスが図抜けていれば、低燃費エンジンを搭載した軽量化車が主流になる可能性が高そうである。 どのタイプが主流になるにしても、これからは、低燃費実現競争になるのは間違いあるまい。 そして、この競争で、企業間で大きな差がつく可能性が高い。 ハイブリッド車のように、新動力導入は重量増になるし、安全対策等装備も増えることも重量増につながる。 従って、それ以外の部分の徹底的なコスト削減で、全体のコスト増分をできる限りカバーする必要がある分けだ。今まで以上のコスト削減圧力がかかることになる。 おそらく、複数購買による競争環境を実現するようなコスト削減では対応できなくなる。と言うのは、部品/材料の小型/スリム化や設計/材料変更のための開発費用が一気に増えるため、この効率を考えると、集中化がさけられないからだ。そして、部品点数削減努力は最高潮に達すると思われる。 こうなると、それぞれの分野毎に、競争力がある企業への寡占化を進めるのが一番合理的である。自動車部品産業はさらなる構造改革が進むと見るのが自然である。 おそらく、技術マネジメント力に優れた企業が、生き残り飛躍すると思われる。 本格的な軽量化を目指すなら、材料そのものの変更から始まるが、これに伴って、必ず加工プロセスが変わる。部品/材料の特性が変わるのだから、当然、設計方針も変わる。軽量化は、一見、一部の改良を積み重ねるだけに見えるが、この3つの方向から変更が行われる上、これらは独立ではなく、互いに絡みあうため、開発プロセスと開発組織運営方法の優劣でアウトプットの質が大きく変動することになる。 今までは、自動車メーカーのピラミッド型体制の開発でよかったが、これからは、材料メーカー、部品メーカーが重要な役割を担うと思われる。 と言うのは、3つの方向の改革とは、材料メーカーと部品メーカーが集まって「画期的なモジュール」を生み出す組織を編成すること、と同義だからだ。自動車会社の支援の下、軽量化/高機能化の独自のビジョンを共有するメーカーだけが集まり、新生産システムを構築することになる。モジュールが優れていることがわかれば、この集まりに参加した企業に飛躍の道が開ける訳だ。 おそらく、「画期的なモジュール」のビジョンを提起できるのは、自動車メーカーではない。材料/部品分野の豊富な知識を持ち、技術潮流と実現できる限界に関する洞察力を持つ企業でなければ、ビジョンはすぐには提起できないからだ。 このように考えると、軽量化のビジョンを提起できる材料メーカー/部品メーカーがあり、ビジョン実現のための開発/生産の組織構築が簡単にできる環境が備わっている国が自動車産業の雄となるのではないだろうか。 --- 参照 --- (1) http://www.consumerreports.org/main/detailv4.jsp?CONTENT%3C%3Ecnt_id=424373&FOLDER%3C%3Efolder_id=424371&ASSORTMENT%3C%3East_id=333137&bmUID=1085442274140 (2) http://www.wired.com/news/images/0,2334,63413-12199,00.html 自動車の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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