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2005.2.28 |
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ばらばらなCAD…3次元CADが日本企業に入ってきたのは1990年代初頭だったと思う。それまでは、独自の2次元CADが乱立していたが、ハイエンドは一挙に少数の規格に統一されてしまった。ソフト開発には膨大な費用がかかるし、定常的にバージョンアップを図るためには、独自ソフトではとても対応しかねるから当然の流れである。 世界的にみれば、ハイエンドのCAD/CAMは、CATIA/CADAM、Unigraphics、I-DEAS、Pro/ENGINEER、に集約されたといってよいだろう。 航空機メーカー、自動車のGM、FORD、電機メーカーがそれぞれの主要ユーザーであったため、こうなったといえそうだ。 日本ではCAMに強いと言われる、CADCEUS系も使われている。 なんといっても最大のユーザーは自動車産業である。ソリッドモデル、 位相付きサーフェスモデル 、位相無しの サーフェスモデル、 ワイヤフレームモデルといった流れの利用場面になる訳だ。 ここで一番問題となるのが、ソフトやコンピュータプラットフォームの違いによる、互換性の問題である。 この解決のために、古くからCADデータ交換標準の制定が図られてきた。 ソフト間をつなぐためには、一端、中間ファイルに変換すればよい、という思想で動いてきたと考えてよいだろう。この結果、米国を中心としたIGESファイルとISO標準になったSTEPファイルが多用されている。 理屈では、上手くいく筈なのだが、現実には面抜け、曲面分割、不正面発生などトラブルは多い。結構大変なのである。このため、結局は、各企業が保有CADシステムにあわせて固有のファイルを制定したりしているのが実情である。 このため、カーネルとシステムを揃えてしまい、カーネルフォーマットを変換するだけで済む仕組みを狙う流れもあった。一番簡単な対応である。 しかし、社外との連携も必要だから、どうしても、様々なシステムが同居してしまう。揃えるなどというのは、理想論でしかない。 こうした状況を考えると、結局のところ、規格化した中間ファイルなど作成せずに、直接データを持ち込むのが一番合理的ではないか、ということになってしまう。 とはいえ、バージョンやプラットフォームの違いも加味すれば、100種類を越える変換ソフトを開発する必要がある。簡単な話ではない。 しかし、トラブルに見舞われるよりは、余程よいともいえる。 日本はこうした細かい対応では一番進んでいるようだ。現場重視で、中間ファイルの標準化にこだわらないからだろう。 CADの標準化が進んでいるように見えるが、現実には、ばらばらの仕組みが動いているのである。 機能上の進歩は凄いのだが、互換性の観点では、まだまだ未熟と言えそうだ。 自動車の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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