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■■■ 本を読んで [2019.12.30] ■■■

Significant Otherness
何時読んだか覚えていないし、完読しなかったと思しき本がある。
  ダナ・ハラウェイ[永野文香 訳]:
   "伴侶種宣言: 犬と人の「重要な他者性」" 以文社 2013年
  Donna Haraway:
  "The Companion Species Manifesto: Dogs, People, and Significant Otherness"
  Prickly Paradigm 2003年


訳の問題や内容ということではなく、なんとなく小生の体質に合わなかった。ただ、「種」についての4つの視点は納得いくものではあった。
 ○進化生物学的な分岐分類
 ○哲学的ジェネリック・ターム
 ○キリスト教的聖体
 ○マルクス・フロイト視点でのあやしげな商品ジャンル
どれにしても、他者との差違をはっきりさせるための概念であり、目的が異なるにすぎないのだから、実は大同小異とも言える訳だ。そんなことを言うと、怒る人もいるかも知れぬが。

その本で使った言葉をママ引用した美術書が出版されたので眺めて見た。
  「AKI INOMATA:Significant Otherness 生きものと私が出会うとき」
  美術出版社 2019年10月30日


この方の作品はなかなかに面白く、現物鑑賞に優るものはないが、写真でも十分に楽しめる。

こんなところ。・・・
○宿仮/寄居虫君は好みの国籍表示の家を選んで背負う。なかなかに面白い生物であり、人によっては懐くようだ。
  →「宿借派 家の重さに 共感し」@2008年8月22日

○水深100m余りに住む蟹のホモラ君はシュールで目立つ作品を担ぐ。こちらは、結構、良く動き回る種と言われている。

○アンモナイト/菊石の殻の成長線は驚くようなものでもなかろう。蜘蛛の巣とは違って、単純な繰り返しでしかない訳で。つまり、そこには自己主張が入り込む余地が無い。
それに比べると、浅蜊貝殻の柄の個体主張は凄すぎ。

そうそう、外見に拘ると言う点では、驚くべき労作も。
○犬毛製人用衣類&人髪製犬用装飾着。
古代人にとっては、毛皮は動物の力を頂戴する霊的持物だったろう。
思わず、主人の遺髪を身に着けた遺愛犬かと思ったりして。

なかでも傑作は、模刻。
○ビーバーの木彫り作品は、確かに、思っている以上に造形的バラエティがある。
模刻すると、その意図もわかってくるのかも知れぬが、わかっても、飼育環境を造るのは難しいので、競作できないのが残念。

以上、気になった点のメモ。百文は一閲に如かず。

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