表紙
目次

2014.4.21

新五行思想

五行とは、道教的な発想とされているが、大帝国化至上主義たる中華思想そのものではないか。そこら辺りを確認してみたくなった。一寸、おかしなところもありそうなので、自己流の五行をまとめてみた。

基本的には、一種の風土論に根ざした差別用の分類だと思う。それがはっきりしているのが、民族の総称。
民族的峻別用語
 中央・・・
 東方・・・
 南方・・・
 西方・・・
 北方・・・
現代で言えば、こうなるが・・・。「東アジア文化圏の分類」 [2013年11月11日]

ただ、文化的に融合しない限りは大帝国化は難しいから、信仰のシンボルを取り入れたということのようだ。訳のわからぬ想像上の獣が作られたりしているが、「五虫」表現での"大王"にしてくれた方がわかり易いのだが。もっとも、そうすると、中華だけ人間なので、反撥をかうから駄目か。
聖獣> (動物皮膚分類)
 中央・・・黄龍 (or 麒麟) ---「裸虫(ヒト)」
 東方・・・青竜 ---「鱗虫(魚・爬虫類)」
 南方・・・朱雀 (or 鳳凰) ---「羽虫(鳥)」
 西方・・・白虎 ---「毛虫(獣)」
 北方・・・玄武 ---「介虫(甲殻・貝殻)」

ここでの、色分けが、いかにも風土論に根ざしている感じがするのである。つまり、それぞれの環境を色で暗示したということ。
シンボリックな色彩
 中央・・・黄土色 ← 濁った大河と湿った泥地
 東方・・・緑葉色 ← 清流の林
 南方・・・明彩赤色 ← 強雨と密林
 西方・・・無彩砂色 ← 砂漠に岩山
 北方・・・暗影色 ← 氷川の岸辺

かなり大きな違いがあるのだから、聖獣だけでなく、十二支に採用するトーテムが違ってきてもおかしくなかろう。基本はあくまでも中華とはいえ。
それこそ、アラブやエジプト辺りまで含めるなら、鷹、糞コロガシ、驢馬が入ってこよう。
十二支代替候補
 中央・・・基本形
 東方・・・海豚
 南方・・・鰐、猫
 西方・・・山羊、駱駝
 北方・・・熊、鹿、鶴

風景が違うということは、気候が全く違うということでもある。季節名でそのイメージを打ち出すことも可能。
シンボリックな季節
 中央・・・季節の変わり目
 東方・・・芽吹きの春
 南方・・・豪雨と猛暑の夏
 西方・・・吹きすさぶ風の秋
 北方・・・凍りつく冬

そうなれば、食味の好みも違ってこよう。参考に、「五味」もあげておいた。
お好みの味
 中央・・・糖分リッチ ---「甘」
 東方・・・醗酵の酢味や旨み命 ---「酸」
 南方・・・アルカロイド系苦味愛好 ---「苦」
 西方・・・刺激希求 ---「辛」
 北方・・・塩蔵品好み ---「鹹」

風土から考えれば、どんな感覚が鋭敏かも想定できそう。「五塵」と呼ぶらしい。多少、無理感もあるが。面白いので、「五官」、「五事」、「五液」もあげておいた。
磨きぬかれた感覚器
 中央・・・味覚 ---「口」 「思」 「涎」
 東方・・・視覚 ---「目」 「視」 「涙」
 南方・・・触覚 ---「舌」 「貌」 「汗」
 西方・・・嗅覚 ---「鼻」 「言」 「涕」
 北方・・・聴覚 ---「耳」 「聴」 「唾」

ただ、「五穀」、「五果」、「五菜」になると、一寸、違うかな感あり。気候風土の概念的なものと見ればだが。素人感覚で勝手に変えてみたが。(併記は、普通、指定されている作物)
主食
 中央・・・粟→麦 ---「米」 「葵」 「棗」
 東方・・・---「麻・胡麻」 「韭」 「李」
 南方・・・里芋・真菰 ---「麦」 「薤」 「杏」
 西方・・・胡麻・豆 ---「黍」 「葱」 「桃」
 北方・・・---「大豆」 「」 「栗」

さらに気質にまで敷衍するのだが、ここまでくるとどうかネー。上記の流れで眺めると、「五徳」も「五経」ともに、ハズレでは。でも、「五情」は成る程感あり。折角だから、風土論的に、小生の、強引で偏見100%の評価を書いてみようか。(併記は五経、五徳、五情)
気質
 中央・・・邪気紛々 ---「信」 「詩」 「怨」
 東方・・・温厚・寛容 ---「仁」 「楽」 「喜」
 南方・・・移り気・お気楽 ---「礼」 「書」 「楽」
 西方・・・勇猛・果敢 ---「義」 「礼」 「怒」
 北方・・・陰険・忍耐 ---「智」 「易」 「哀」

ちなみに、これを歴史というか、民族的体質にあてはめてみるとこうなるかナ。

 中央・・・中国共産党の国家
 東方・・・越、宋、近代化以前の日本
 南方・・・楚、明、ポルポト以前のカンボジア王国
 西方・・・殷、元、アフガン
 北方・・・清、北朝鮮

如何?


 文化論の目次へ>>>    表紙へ>>>
(C) 2014 RandDManagement.com