表紙 目次 | ■■■ 健康の考え方 2014.10.7 ■■■ 睡眠理論談を読んで 睡眠理論は色々ある。それなりに面白いが、必ず一律的に「最適解はコレ」というアドバイスになるのが、どうも気に喰わぬ。 「理想」から、直接的にベストな睡眠パターンを推奨するのは、実践的でないだけでなく、多くの場合プラスに働かないと考えるから。 物事は、理想論から現状を考えるのと同時に、現状の延長線上の姿を予想し、両者が折り合える姿を考えないと、良い方向に進むことは稀というだけの話である。 換言すれば、「良い睡眠」は、自分で決めるべしということ。もちろん専門家からアドバイスを頂戴できるなら素晴らしいが、それは特定個人向けのカスタムメイドでなければ役には立つまい。 → 良き睡眠について[2014.1.2] ただ、睡眠研究者の指摘には説得力のある理屈が含まれていることもある。直接自分用にアドバイスをもらえる訳ではないから、それを自分なりに解釈するとよいのではなかろうか。 WSJで理屈談(スタンフォード大学医学部睡眠医学科の臨床教授)が紹介されているが、実に示唆に富む記事である。 小生なりのインプリケーションは以下のようなもの。・・・ 人間は昼行性であり、 成人の寝る時刻は 通常「日によって変わる」ものではない。 【インプリケーション】 現実の日々の生活を考えれば、その通りだと思うが、本来的には、就寝時刻は結果ではなかろうか。 起床の定時性が根本原理とは言えまいか。 視床の奥にあるとされる3つ目の眼には、時刻を刻む機能があると言われているが、光に感応する視覚器官でもある。従って、夜明けと共に、リズムを調整する仕組みがある筈。従って、このリズムと齟齬が生まれない睡眠パターンが望ましい。 ただ、感応性は個人差がありそう。 注意すべきは、鋭い人が早起きタイプになるとは限らないという点。この器官の働きが活発ということは、柔軟性があると見なすこともできるからだ。そんな人だと、一日の明るさ変化や、食事時間を人為的にコントロールすれば「宵っ張り」タイプになる可能性はかなり高いのでは。動物園の飼育動物の話を聞くと、それが上手くいく場合もあるというから、慣れれば、そう深刻な問題でもないのかも。 ベッドで過ごす時間をあまり長くせず、 そして、 毎朝必ず同じ時刻に起きること が大事 【インプリケーション】 その通り。 しかし、これは意志の問題ではなかろう。普通なら、ヒトは夜明けを感じると自然に目覚める生物では。無理して、その理想に近付けたからといって、素晴らしい睡眠ができているとは言い難い。 朝起きれないとしたら、問題はいくつかに絞られるだろう。 (1) 夜明けを感じさせない環境で寝ている。 (2) 就寝時刻が不規則で、睡眠のリズムに合わせるために起床時刻が変化してしまう。 (3) したくないことが待ち構えているので、起きたくない。そのため、たとえ目が覚めても、寝たくなる。(人為的に眠気を作りだしている可能性が高い。) (4) 上記と紙一重であるが、精神的あるいは、肉体的な疲労が溜まっていて、起きて活動する気力が湧かない。(休息が必要ということだろう。) 人間は 90分ごとに 20秒から30秒間、短く目覚めるようにできている。 安全な環境が提供されていることが 睡眠に入るための最善の方法なのだ。 【インプリケーション】 これは極めて重要なこと。 睡眠環境が安全で快適だと数秒でわかる空間で寝ていないと、睡眠は不完全なものになりがちなのだ。 旅先で寝付けない神経質な体質ならなおさら。 ただ、「安全・快適」感は極めて主観的というか、育ってきた環境に依存するので、睡眠環境の人真似は意味が薄かろう。 一日が終わる頃、 つまり就寝時間の2〜3時間前になると、 人間は再び警戒力が鋭くなる。 【インプリケーション】 就寝直前に、明るい室内での刺激は出来る限り慎むべしという、昔から当たり前の話でしかない。精神的な安堵感あってこその、良き就寝だろう。 早すぎる時間に寝るのは間違い。 【インプリケーション】 と言うか、どうしてそんな早い時間に寝ることができるのか考えた方がよいのでは。なにか問題を抱えてはいまいか。 まあ、素人だから、こんなところ。 記事をお読みになって、自分でお考えになることをお勧めしたい。 (WSJ日本語版翻訳記事) 自分に最適な就寝時刻の見つけ方 By Heidi Mitchell 2014年10 月3日 15:25 JST (C) 2014 RandDManagement.com |