表紙 目次 | ■■■ 健康の考え方 2014.11.16 ■■■ アルコールの健康寄与度も個人差大 「アルコールを少量、つまり1日30ミリ・リットル(日本酒1合、ビール大瓶1本に相当)以下をたしなむ人は、まったく飲まない人に比べると、循環器病による死亡率、全死亡率ともに少ないのです。」 ・・・国立循環器病研究センターのサイト([32]飲酒、喫煙と循環器病)に掲載されている解説。根拠とされる元論文は1990年のもの。 又、「脳梗塞については、少量のアルコールが予防的に働き」、「心臓や頸部、手足などの血管の動脈硬化の程度も、飲む人が飲まない人より軽い」との由。 この辺りの情報は、健康診断で問診をされた方はたいていご存知。医師から適量にしましょうと言われ、それに続けて、運動もした方がよいですヨと。当たり前の話だと思うが、それがプロフェッショナルとして料金を頂戴するご指導として通用するのだから素晴らしき社会である。 それはともかく、余り知られていないのは、飲酒と血圧の関係の方。 飲酒によって血圧が上がるのは昼のこと。飲酒後数時間は血圧が下がるから、夜は血圧が上がらないのである。アルコールで血管が拡がれば、当たり前の結果のような気もするが。 と言うか、禁酒したところで、一日平均血圧でみればたいした変化は期待できないとの話。 素人が「24時間血圧変化のグラフ」を眺めた印象では、飲酒制限にたいした意味はなかろうとなるだけのこと。 そんなこともあり、小生は酒を止める気は全く無い。流石に、暴飲はつつしむが。あとは、たまにではあるが、意志の力を確認するための飲まない日を設けてる。それで、十分ということで。 しかし、適量の飲酒をお勧めするようなデータが揃っている研究は、母集団が一様と言えるのかと考えると、お寒い限り。つまり、アルコールが健康に及ぼす影響は、本当のところはよくわからないというのが、正しい見方のようだ。 コーヒーを何杯飲むとよいかという調査と同じで、遺伝子タイプが違うと影響度が変わってくるからである。 → 「コーヒー愛飲者のDNA分析開始か」[2014.10.17] まことに残念至極。 少量飲酒というか、その人にとっての適量飲酒をすると、冠動脈心疾患予防に繋がるというのは、特定の遺伝子タイプを持っている場合に限られるということのようだ。そんな人は推定15%しかいないとの話も。 ガッカリさせられる成果であるナ。 考えて見れば、遺伝的にアルコールに弱い人はいる訳で、そんな人はもともと冠動脈心疾患リスクは他の人とは違う可能性は高かろう。そこらを考慮しない調査結果は確かにナンダカネ解析かも知れぬ。 ただ、アルコールは、こうした純生理学的効果もさることながら、神経系への働きも小さなものではない。少々の飲酒だけで愉快になれるとしたら、健康に寄与しない訳があるまい。 もっとも、えらく悪酔いされる方もいらっしゃる訳で、小生は、そういう人は早死に間違いなしと踏む。遺伝子型のせいなのかはわからぬが。 もっとも、とある呑み屋で、ソリャ逆だヨという説をお店の主人から聞かされたこともあるが、こまり者ほどいつまでもお店に通って来るから、店主がそう感じるのではないかと見た。 (source) Michael V Holmes, et, al.: "Association between alcohol and cardiovascular disease: Mendelian randomisation analysis based on individual participant data" British Medical Journal, 2014; 349 Moderate Drinking is Healthy Only for Some People The Sahlgrenska Academy, Univ. of Gothenburg News: Oct 23, 2014 (C) 2014 RandDManagement.com |