表紙 目次 | 「我的漢語」 2014年7月11日 十二支文字考十二支は、漢字が先にあり、それに合わせて動物が当てられたとは聞いていたが、まさか、酉が酒壺を意味する文字とは露知らず。 [→ 「酉文字考」]一体、どうなっているのか、十二支の漢字と動物(「生肖」)の対応を眺めて、勝手に想像してみた。 <1> 「子」 ・・・言うまでもなく、意味は「こ」。 そこで、生まれたばかりから極めて小さく、繁殖能力が高い動物を選んだのだろう。まあ、鼠/鼡しかなさそう。 <2> 「丑」 ・・・手で何かを掴もうとする様。 わかったような、わからぬ概念ではあるが、牛は、文字の形が似ているということなのだろうか。 <3> 「寅」 ・・・n.a. 矢+廾(両手)との解説も見かけるが、訓が"謹む"となっていたりして、解せぬ。 「矢」ということは、尖った武器様な牙を持つ獣ということでは。 虎だが、牙獣なら豹でもよいのでは。もっとも白虎イメージが定着していただろうから、虎抜きはままならぬか。 <4> 「卯」 ・・・門を無理にこじ開ける様。 夜明けの感覚だろうか。赤くて大きな耳が2つ並ぶ姿から兎が選ばれたと見るのが自然。 <5> 「辰」 ・・・二枚貝の唇状肉部。貝信仰の原点なのだろう。 それと、龍がどう繋がるのか、さっぱりわからんが、釜足生物を四足で代表させるのは簡単なことではないから、想像上の動物になるのは致し方なかろう。麒麟と競争もあったろうが、青龍とされる以上、水生感覚が強い方が優先されるのは明らか。 <6> 「巳」 ・・・胎児。 これは、足無しの蛇=「虫」+「它」(毒蛇)しかなかろう。 "玄武"にならなかったのは、霊獣たる龜/亀ではニョロニョロ感が湧かないからか。 <7> 「午」 ・・・杵の上下運動。折り返し行為だから7番目か。 跳躍的疾走が得意な動物ということなのだろう。 それなら、 馬ではなく、鹿でもよかった気もする。 <8> 「未」 ・・・梢の若芽。豊穣につながる嬉しさか。 美味しさなら、羊しかなかろう。 <9> 「申」 ・・・稲妻。 本来は、猴(無尾/類人系)を指すようだ。日本では、区別せずに、猿(有尾)=「犭」+音符「袁」(ゆったりした衣)に包含しているが。本来は、猩猩だった可能性もありそう。 <10> 「酉」 ・・・酒壺。穀霊なのだろう。 鶏=「鳥」+音符「奚」(鳴き声) 禽=「禸」(獣の足跡)+「冈[網]」+音符「今」 鳥は色的にはっきりしないので、避けるしかなかろう。もちろん、黒の鳥である、烏は全く合わぬ。朱雀たる鳳凰は夏色で10番目としてはまずかろう。発音に関係ない日本なら、鶏の祖先の雉をあててもよかったかも。 <11> 「戌」 ・・・戈(刃物)で刈り取ったものを一つにまとめるということで、「一+戈」らしい。 武器に穀霊が乗り移るという信仰か。 そうなると、供犠としては、狗/犭とするのが自然である。 日本では、 犬より、狼(大神)にした方がインパクトがありそう。 <12> 「亥」 ・・・猪の骸(骨格)。 食べ尽くした猪=「犭」+音符「者」([貯]で肥えたの意味)。中国では、豚は極めて重要な肉だ。そこで、12番目になった訳か。(ブタは中国では猪と表記するので実にまぎらわしい。イノシシは野猪。) 尚、豚=「肉(月)」+「豕」ということ。 「生肖」とは、「鼠、牛、虎、・・・」という頭に残り易いイメージで元の言葉を暗記させるためのものなのだろう。本来は、異なる覚え方が併存してもかまわない筈だが、暦に関係するから標準化させられたということか。 それより、元の、「子、丑、寅、・・・」のコンセプトを考える方が面白い。 (C) 2014 RandDManagement.com |