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「我的漢語」
2014年10月31日

目漢字一瞥

「自鼻漢字の不可思議さ」 [→] を書いたばかりだが、目[メ][ハナ]ではなく、自[ハナ][ハナ]である。
ということで、[メ]も見ておこう。

日本語では、「め」と呼ぶよりは、やはり「まなこ」だと思うが、それに該当する漢字は「目」なのか、はたまた「」かよくわからないところがある。
後者の旁である「艮」は、方位「丑寅」の文字だが、由来に繋がる意味はないらしい。藤堂説では、「艮」は「目+匕(アイクチ)」であり、刺青を意味しているという。ハナの「自」文字も刺青線だからありえそうな話。
「艮」の部首に属してはいないが、マナコ以外で、"限,根,痕,恨,很"といった文字で使われており、「動かない・ずっと残る」を意味しているとされる。
ただ、小篆文字を見ると、これは「見」としか思えない。尚、「目+見」という文字は別途存在する。・・・

目の場合は、人体のパーツとしての呼び名が文字化されている。ヒトミは比喩的にも用いられるようだ。
 ひとみ・・・孔 明 画竜点
 まぶた・・・
 まゆげ・・・毛 [小さな皺^^と一部伸びた毛∫か]
 まつげ・・・
 まなじり・・・

目が本来の機能を発揮していない状態を指す文字もある。
  睡眠 
そこに入るものか、少々考えさせられる場合も。
 瞑想 

まあ、一という文字を確認するのには、結構集中力がいるようで、思わず間違ってしまう文字も少なくない。
小生が乱視のせいもあろうが。
以下、視力検査と思って眺めて欲しい。
 𥇦:頭脳明晰 (これは目偏にしたいが。)
 矇眛:無知蒙昧(偏見文字臭紛々だが)
 /:嘱望 (口キキが現実か)
 𥆒:猊下 (ケモノの方が妥当か)
 :中旬 (月日だから間違いようがないが)
 :昴 (天体なんだから当たり前か)

そうそう、前、実、、矛は、目にどう関係するのだろうか。タテは目を防御するという理屈でなんとか通じるが。
3足2耳に1目は、だという説もある位で、という話は流石に無いか。この辺りの屁理屈は、呑み屋に行けば、ダジャレお得意の人が沢山控えているから、学者の方々もその知恵をご利用されたらよいと思うが。たったビール1杯で膨大なアイデアを頂戴できるのだから。もっとも、聞いても、帰宅すると忘却のかなたになること請け合いだが。

ともあれ、熟語でしかわからぬ漢字いとも多し。
漢文暗記文化のなせるわざか。今でも漢字検定大好きな方は五万という状態らしいから、おちゃのこさいさいの方だらけ。厚顔の批(判)少年だった小生はテストアレルギーなので、話をきくだに身震い。
 美目たり@論語
 
 一
 明
 
 俯
 自
 
 親
 監
 
 欺
 
 
 
 
 属神
 尊 (律宗の僧)
 目 (目撃)
 虎視
 右顧左
 神韻縹 𥇇という文字もある。
まだまだあるのだろうが、小生はこの程度が限界。

そういえば、豕のなんだかね文字がある。ブタの眼はヒトそっくりだから、実験用かな。読み方はさしづめトンメか。・・・𥆋

発展形はわかり易い。足「儿」がつけば「」である。
と書くセンスは秀逸。意図はそのまま伝わる。「見」の系統は沢山ありそう。そこは博強記の世界である。
なにせヒトは視覚の動物だから。

そういえば、目を90度回転した、四や皿に似たヨコメ「」がある。同じ表記で、ヨンカシラやアミガシラ(罪は)もあるようだから、素人の手に余るが。ヨコメとは、普段良く使う、横目とか横睨みとは違うだろうから、寝っ転がって見るということかも。目の部首として公認されているヨコメは、大(衆・・・これは饗応を受ける皿かとばかり思っていた。)とか丸に使う文字らしいが、天子の手下の宦官達が寝ころび姿勢で眺める対象でしかないと言うことか。
大衆や睾丸にはさっぱり興味をえないので、ここまでとしたい。

(参照)「漢典[基本解釈/康熙字典/説文解字] 」http://www.zdic.net/

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