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「我的漢語」
2015年10月23日

初霜白菊の世界

霜降と言えば、健康に悪いから避けろと言われる人が多い高級肉。二十四節季の用語であり、冬めいた感じがするが、立冬の直前であるから、秋の終わりということになる。
初霜ということなので、検索するとえらいことになる。大日本帝国海軍の初春型駆逐艦の船名になっているため、頭からズッとその手の情報ばかりで、詩歌を探す気がしなくなる。

ただ、百人一首の一句位は知っているので、ここら辺りから見てみようか。なかなか面白い歌である。

    の花をよめる  凡河内躬恒
  心あてに 折らばや折らむ 初
    置き惑わせる 白
の花

三十六歌仙の一人であるが、浅学な小生はとんと存じ上げない。
初霜とくれば菊との発想を引き継いでいるのが、次の俳句なのだろうか。

  初冷え初むる 腰の綿  芭蕉
  寒の重みに 倒れけん  子規

ただ、凡河内躬恒の和歌は白居易と劉禹錫の影響大ということらしい。

    「咏」  白居易[772-846]
  一夜新著瓦輕
  芭蕉新折敗荷傾
  耐寒唯有東籬

  金粟花開暁更清
  金栗=菊の形象

  「和令狐相公玩白」  劉禹錫[772-842]
 家家盡黄、梁國獨如。瑩靜真h樹、分明對玉堂。
 仙人披雪、素女不紅妝。粉蝶來難見、麻衣拂更香。
 向風搖羽扇、含露滴瓊。高艶遮銀井、繁枝覆象牀。
 桂叢慙竝發、梅蘂妬先芳。一入瑤華詠、從茲播樂章。

白楽天は、自分の境遇に擬えているのか、晩秋の季節にしぶとく残っている菊の花を大いに気に入っているようだ。霜降でもあれは更なりというところ。
   「重陽の節句詩」[2015年9月9日]

ただ、初霜の初出は以下と指摘する人もいる。もっとも、「細葉」が菊とは限らないが、情景から他も考えずらい。

    「秋閨夜思」  梁 簡文帝[503-551]
  非關長信別 是良人征
  九重忽不見 萬恨滿心生
  夕門掩魚鑰 宵牀悲畫屏
  廻月臨窗度 吟蟲遶砌鳴
  初
細葉 秋風驅亂
  故粧猶累日 新衣製未成
  欲知妾不寐 城外搗砧聲


この初霜菊花の組み合わせモチーフを気に入った詩人も何人かいるようだ。

先ずは、蛍雪の白と対比させる面白い詩から。

    「白」  魏野[960-1019]
  濃露繁著似無 幾多光彩照庭除
  何須更待
兼雪 便好叢邊夜読書

    「咏」  楊万里[1127-1206]
  物性从来各一家
  誰貪寒痩厭年華?
  菊花白擇風

  不是春光外


    「題画」  許廷榮[1675-1760]
  芳菲過眼已成空 寂寞籬邊見見叢
  顏色只从
后好 不知人世在春風

    「白」  許廷榮
  正得西方气 来開籬下花
  素心常耐冷 晩節本无瑕
  質傲清
色 香企秋露華
  白衣何處去 載酒向陶家


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