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「我的漢語」
2018年3月20日

蜘蛛

蜘蛛の漢字表記は日中共に蛛だけになりつつあるようだ。
誅するを知る虫という意味だと思うが、𧏫という意味とみなし、前半部は割愛したのだろうか。
もともと、蜘蛛の表記は2文字だったようである。・・・
 知+黽= ⇒ 虫+知=
 朱+黽= ⇒ 虫+朱=

必ずしも毒虫とは見られていなかったようで、「五毒蟲」に入るのは蛇、蠍、壁虎[家守]、蜈蚣[百足]、蟾蜍[蝦蟇]である。但し、ヤモリは毒を持っていない。そんなこともあって、後世は、代替として蜘蛛を入れることもあったようだ。[→]
蟾蜍は特別扱いされていたから、蟇蛙的な毒を牙から注入しているとの認識はあったのだろう。・・・
 蟾蜍 虫+毒= ⇒ 
 蟾蜍 草鞋虫: ⇒ 
地蜘蛛だろうか。・・・
 蟾蜍 蠐螬[スクモムシ:地虫] ⇒ 
タランチュラ的な蜘蛛の存在も認識していたか。・・・
 毛虫: ⇒ 蠾蠋 ⇒ 

蜘蛛と言えば、蜘蛛の巣と言うか、造網虫であるが、徘徊性の種も多いので、蜘蛛全体の名称にはならなかったのだと思われる。・・・
  ⇒ 絲虫
  ⇒ 網虫 ⇒ 網公 ⇒ 杜公
    (音的には「毒」だったりするらしい。)
蠍のような鋏はないものの、生物分類学では鋏角と名付けられている顎牙で咬み付くことはあるから、その辺りを強調した表現も使われていたようだ。
急所を狙う技を会得しているから、知的水準が高い生物として扱っていたのだと思われる。・・・
 鋏虫:[=矛+夂+虫] ⇒  ⇒ 
   (or 𧎄)

上記の派生系もある。・・・
 [せつぼう]
これが、[せつぶ]に変化した可能性も。

中華文化の基底には、儒教の宗族繁栄を最優先する思想があるから、それこそ"蜘蛛の子を散らす"ほど大勢の子孫を残す能力がある蜘蛛は尊崇の対象になっておかしくない。・・・
  ⇒  ⇒ 喜文
に、しいて種の名称をつけるなら、脚高蜘蛛ということになろうか。・・・
 
脚高もさることながら、座頭虫的な脚長の姿も強く引かれるものがあったのかも知れぬ。
 (8足) ⇒ 
 長股者

(参考) 「太平御覽」卷九百四十八 蟲豸部五 蜘蛛
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