■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[1l釋詁]■■■
字義でのA=N表記は混乱の元だと思う。現代の意味では分別するしかない字義が多数存在することは稀ではないから、2文字で表示すれば、それはベン図的に解釈するしかない訳で。
このことは、「爾雅」的な解釈では、トートロジー化しがち。
  ABCDEFGH…【N】
  MNOPQ…【Z】
  XYZ…【A】

そうであろうと、字義が想像できるから有用な記述であると考えることはできるものの、それは詩作に於ける代替文字使用に便利という以上では無いのであって、漢字全体を知りたいという要望に対応している訳ではなかろう。

その辺りは、文字秩序論を展開しているとも言える、「說文解字」とは全く異なる。

それを考えると、六書分類を採り上げているものの、それはとりあえず通俗論に沿っているだけと見るべきだと思う。・・・統一規格の母集団をはっきりと定めており、訳のわからぬ古字類を集めて来て勝手な推論をするような非科学的方法論を忌避しており、その結果からすれば、こうした分類にたいした意味は無いことは歴然。
重要なのは、字形の連携性が存在することを指摘した点。つまり、各文字はいかに多義であっても、規格化された時点で、当該王朝官僚が原議を設定していることを見抜いたことになる。言い換えれば、文字発祥時点と言うか、対応する言葉の最古の意味(元義)とは違っていることもありうることになる。・・・その辺りに混乱が見られる場合は、繁用される文字であっても、文字秩序化から外れている可能性があるので、項目としては収載しないという、厳格な方針を採用しているのは間違いない。
(こう考えると、後世の「說文解字」解釈書を参考にする場合は限定的に留めた方がよいことになる。誤謬や不詳として代替文字を設定する傾向が見て取れ、そこに文字秩序論的センスが流れているとは思えないからだ。)

両書の字義設定は似ているが、思想的には全く異なっているかも。・・・
流 差 柬…【
「旣我馬」  【
  擇:柬選  敹 精 覒 掄:擇
  [driv.]≪艸≫若[擇菜]=采摘野菜 蘀[艸木凡皮葉落陊地爲蘀]
n.a.…【流】
 干 …【求】
 …【覃】  覃…【延】 覃[長味]
n.a.…【柬】
  柬:分別𥳑之
  [driv.][証] 楝[木] 煉[鑠治金] 湅[㶕] 闌[門遮]
     練[湅従 𣍃[擊小鼓 引樂聲] 鍊[冶金]
爽…【】  爽…【忒】  晏晏 旦旦…【悔爽忒】
  差:貳 差不相值  篸:差
  爽:明  昧:爽 旦明
     忒:更   悔:悔恨
---
 嗟 咨…【𨲠】
 猗嗟名兮…【目上爲名】
  嗞:嗟
    咨:謀事曰咨  㮞:𣝍櫨  𧪘:咨
  

     

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