![]() ![]() ■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[3釋訓]■■■ その点では、「爾雅」は守旧そのもの。 すでに述べたことを繰り返しておこう。・・・ 常用では、1つの文字が複数の意味を表現することは当たり前。 しかし、秩序だった文字宇宙観樹立を目指す、国家の官僚からすれば、その様な混沌を是とする方針を採用するなどあり得ない。1文字1字義が原則な筈。 従って、文字全体を俯瞰して、文字宇宙像を確立したいなら、この原則で臨む必要がある。 しかし、異なる意味の用例が併存している状態から、1文字1字義へと整理するのは厄介な作業となる。様々な用例を集めて、万人が納得し易そうな初源の意味を推定することにならざるを得ないからだ。一見、妥当な方法論に映るが、無意識的に主観で判定しているだけ。ただ、主観とはいえ、社会的通念に沿った結果を提示することになるので、もっともらしい推論になる場合が多い。そうなれば、それを通説と呼ぶことになる。(新たな推論が登場すれば、そうした通説に何の根拠も無いことがわかることになる。) ・・・そんなことを考えると、「說文解字」の凄さが引き立って見える。旗色鮮明にして、論理明快だから。 どうやって、1文字1字義を設定するかと言えば、<字体>から推論すべきと言い切っているようなもの。 このことは、字体論の体裁ではあるものの、思想書に近いということになる。(字義論の「爾雅」に対する、字体論の「說文解字」との見方は表層的過ぎよう。) 例えば、文字"一"は、易の卦では無く、常識的用法は数字の1。従って、"一"が天を意味していたとか、大元との証拠はない。しかし、字体の繋がりを考えれば、そう結論づけるべきとなる。これは思想以外の何者でもない。整然とした秩序順列の最終が十二支になるとの主張も、思想的提起そのもの。 もともと、文字宇宙は字体で順位が決まっているとの論理も、自明ではない。確かに、その様な秩序があり得るかも知れぬが、無秩序の可能性もある訳で。 そこらを考えると「爾雅」は無思想。字体には目もくれないからだ。 「說文解字」は、親字(部首)と所属子文字群の2層構造で考えるべきと、明確に言い切ることで、文字全体のヒエラルキー構造の存在を見せてくれているのとは大違い。 さらに1文字1字義1発音の鉄則が光る。・・・「爾雅」は連字(熟語)や重畳字(オノマトペ)をママ記載しており、現実の用法を引いているだけ。 常識的には、この巻は重畳用例集と見なすことになるが、実態は異なる。突然、脈絡無しに異なるタイプを並び始めるという解せぬ編纂。それでも、詩句の4文字構成での疑似的重畳例を収録というならわからないでもないが、そうは解釈できそうにない。 ≪釋訓 第三≫[重畳用例] 明明 斤斤…【察】 條條 秩秩…【智】 穆穆 肅肅…【敬】 諸諸 便便…【辯】 肅肅 翼翼…【恭】 廱廱 優優…【和】 兢兢 憴憴…【戒】 戰戰 蹌蹌…【動】 晏晏 温温…【柔】 業業 翹翹…【危】 惴惴 憢憢…【懼】 番番 矯矯…【勇】 桓桓 烈烈…【威】 洸洸 赳赳…【武】 譪譪 濟濟…【止】 悠悠 洋洋…【思】 蹶蹶 踖踖…【敏】 薨薨 曉掾c【衆】 烝烝 遂遂…【作】 委委 佗佗…【美】 忯忯 タタ…【愛】 偁偁 格格…【舉】 蓁蓁 孽孽…【戴】 懨懨 媞媞…【安】 祁祁 遲遲…【徐】 丕丕 簡簡…【大】 存存 萌萌…【在】 懋懋 慔慔…【勉】 庸庸 慅慅…【勞】 赫赫 躍躍…【迅】 綽綽 爰爰…【緩】 坎坎 蹲蹲…【喜】 瞿瞿 休休…【儉】 旭旭 蹻蹻…【憍】 夢夢 訰訰…【亂】 懪懪 邈邈…【悶】 儚儚 恛恛…【惛】 版版 盪盪…【僻】 爞爞 炎炎…【熏】 居居 究究…【惡】 仇仇 敖敖…【傲】 佌佌 瑣瑣…【小】 悄悄 慘慘…【慍】 痯痯 瘐瘐…【病】 殷殷 惸惸 忉忉 慱慱 欽欽 京京 忡忡 惙惙 怲怲 弈弈…【憂】 畇畇…【田】 畟畟…【耜】 郝郝…【耕】 繹繹…【生】 穟穟…【苗】 緜緜…【穮】 挃挃…【穫】 栗栗…【衆】 溞溞…【淅】 烰烰…【烝】 俅俅…【服】 峨峨…【祭】 鍠鍠…【樂】 穰穰…【福】 子子 孫孫…【引無極】 顒顒 卬卬…【君之コ】 丁丁 嚶嚶…【相切直】 譪譪 萋萋…【臣盡力】 噰噰 喈喈…【民協服】 佻佻 契契…【愈遐急】 宴宴 粲粲…【尼居息】 哀哀 悽悽…【懷報コ】 鯈鯈 嘒嘒…【罹禍毒】 晏晏 旦旦…【悔爽忒】 皋皋 琄琄…【剌素食】 懽懽 愮愮…【憂無告】 憲憲 洩洩…【制法則】 謔謔 謞謞…【崇讒慝】 翕翕 訿訿…【莫供職】 速速 蹙蹙…【惟逑鞫】 抑抑…【密】 秩秩…【C】 甹夆…【掣曳】 朔…【北方】 不俟…【不來】 不遹…【不蹟】 不徹…【不道】 勿念…【勿忘】 萲 諼…【忘】 毎有…【雖】 饎…【酒食】 舞號…【雩】 暨…【不及】 蠢…【不遜】 如切如磋…【道學】 如琢如磨…【自修】 瑟兮僩兮…【恂慄】 赫兮烜兮…【威儀】 【有斐君子 終不可諼兮】 【道盛コ至善 民之不能忘】 旣微且尰…【骭瘍爲微 腫足爲尰】 是刈是濩…【濩 煮之】 履帝武敏…【武 跡也】【敏 拇】 張仲孝友…【善父母爲孝 善兄弟爲友】 有客宿宿…【言再宿】 有客信信…【言四宿】 美女爲媛 美士爲彦 其虚其徐…【威儀容止】 猗嗟名兮…【目上爲名】 式微式微者…【微乎微者】 之子者…【是子】 徒御不驚…【輦者】 襢裼…【肉袒】 暴虎…【徒搏】 馮河…【徒渉】 籧篨…【口柔】 戚施…【面柔】 夸毗…【體柔】 婆娑…【舞】 擗…【拊心】 矜憐…【撫掩之】 緎…【羔裘之縫】 殿屎…【呻】 幬…謂之【帳】 侜張…【誑】 誰昔…【昔】 不辰…【不時】 凡曲者爲罶 鬼之爲言歸 ⏩続 ![]() (C) 2025 RandDManagement.com →HOME |