■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[8h釋天]■■■
この項は思い付き的駄文なので、ご容赦のほど。

漢文の本質が垣間見えるのが、釋天 風雨。
  天氣下 地不應曰:雺 (霿 霿晦也@≪雨≫)
  地氣發 天不應曰:霧 (霚@≪雨≫)
         霧謂之
  螮蝀謂之

小生は、1行目をこう解釈する。・・・
 天から気が降りたものの、
  地がそれに応えなかった。
    このことを"雺"と呼ぶ。
それなりに納得できそうではあるものの、冷静に文章を眺めると、勝手な解釈そのもの。
"from 天"と見なせる証拠はどこにもない。文頭だから、主語の筈だし。

そうなると、"天"とはSで、"氣"はVなのだろうか。

いくらなんでもこの解釈は無理とすれば、"天氣"は連語の名詞とでもするしかなかろう。"天之氣"あるいは"天的氣"の意味とみなすことになる。
文章骨格としては、"氣"-"下"のSV。
本来的には、"天"は"氣"の形容詞あるいは連体修飾語と解釈すべき文構造だが、之/的の省略と見なすのが自然だろう。

しかし、省略可能とする見方はいかにも強引。
そうした解釈を避けるなら、"天"-"下"がSVに当たると見なすしかあるまい。自動詞の訳がないから、他動詞として、SVО構造で記載される筈で、語順は鉄則だから、"天"-"下"-"氣"でなければ。従って、この解釈は無理筋。

一方、"地"-"応"は、どう見てもSVに映る。
従って、"天氣"-"下(降)" thus "地"-"(反)応"という、後文が否定形となる、対照的SV2連文と考えると、実に納まりがよい。無理筋を推したくなったりして、解釈は結構難しいことがわかる。

さらに付け加えるなら、"曰"は動詞。
その基本用法は、<A 曰 B>。
この文章の主語の"A"に当たる名詞を、上記の文章で具体的に指摘する必要がある。
はてさて、どうするか。

・・・文法(品詞規定)無き言語とはこういうもの。
(漢文解釈の場合、面倒なので、文構造と品詞を同定する文法的方法が用いられることになるが、その手のルールとは無縁の言語。文節的単語(1文字相当)の順列(前後関係)言語ということになろう。従って、本来的に句読点や接続詞無用。・・・「古事記」から判断する限り、倭語は文法言語で、文章の区切り方のルールが存在する。)

【参考:文構造用例】
日爲蔽雲@釋天 風雨
𩃬:雲覆日也@≪雲≫
  

     

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