■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[17da釋鳥]■■■
書かないでおこうと思っていたが、【燕類】の当たり障りのない追記のおまけ。
<燕 白脰烏>の方。

天竺では8000m級ヒマラヤ越えの鳥に対する尊崇の念が古代から現在まで受け継がれていることは知られているが(風葬とは鳥に魂を運んでもらうのであって、遺骸を土に返す訳ではない。)、中華帝国では、それに対応する鳥が燕。烏や鵜ではない。
(理由は知らぬが、そこらの事情は、唐朝の知識人も知っていたにもかかわらず語らない。当然、本邦もそれに倣って現代迄続いている。)

Birdなのに艸冠と連火という文字になっているのは、高山草地〜魚類棲息地の超能力を示す為に王朝官僚が規定したことによる。ツバメのbird字体は、甘+北+口の鳥、鷰であるべきなのに。

ついでながら、ここで繰り返し的コメント。
白川論は、漢字の本義は呪術的祭祀から創成された甲骨文字にありとする。対して、秦代官僚創成の小篆を対象として字形を眺め、そこに意図せざる文字宇宙論が展開されていることを見抜いたのが「說文解字」。目的が全く違うのに、こちらが正しいという見方は不毛以外の何者でもない。

・・・と、言うことで。

鳥類飛行速度で頂点(169Km/h)に立つのはアマツバメ[雨燕Pacific swift]とされる。外貌が腰に白帯がある燕である。

日本列島にも渡来してくるものの、崖棲みタイプなので話題に登場することは滅多にないが、海面すれすれから、3,000m級高地でも遭遇したと報告されていて、知る人ぞ知る驚異的な種である。(餌の選り好みが激しいことが分かっており、大量捕虫が不可欠にもかかわらず、虫が存在しない空間への飛翔がとてつもなく多い。)

大陸だと渡り期間に、都市や村々を経由するので結構知られていた筈。
越冬場所は豪州で、繁殖は東南アジアだが、夏季は中原〜シベリアで棲息する。

こう書いたところで、真意は届かないかも。
殷の時代の燕とは天界に住む鳥であって、自然に想起されそうな元素観の<風>と同義という点が肝。地・水・火・風@天竺 火・空気/風・水・土@ギリシアと違って、五行は分類レベルがバラバラ。
(全く参考にならないかも知れぬが。…チャールズ・フォスター[西田美緒子 訳]:「動物になって生きてみた」第6章 風ーアマツバメになってアフリカに渡る [原執筆:2015年@Oxford])
  

     

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