■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[17h釋鳥]■■■
フクロウについて。

古代梟料理は人気があったと見て間違いない。中華料理の根本精神は、当該食材から、その力を得ることが可能というもの。鳥目でありながら夜間活動できる超能力のおこぼれ期待は絶大。
しかし、その「詩経」から受けるイメージは極めて悪い。注釈で、母喰い鳥と見なされてしまったことも大きい。
「說文解字」で不孝鳥とされる由縁でもあろう。
懿厥哲婦 為梟為鴟 婦有長舌 維飼V階 [「詩経」大雅 蕩之什 瞻卬]
墓門有梅 有鴞萃止 夫也不良 歌以誶之 [「詩経」國風 陳風 墓門]
鴟鴞鴟鴞 既取我子 無毀我室!恩斯勤斯 鬻子之閔斯 [「詩経」國風 豳風 鴟鴞]
  "流離"「爾雅」作鶹鷅陸璣云梟也 [「詩經世本古義」卷二十六]

この夜目での、鼠狩猟は知られているから一見害獣駆除に活躍してくれる益鳥としがちだが、家禽飼育からすればヒヨコを襲う猛禽類であるから、敵対者とみなされて当然。
もっとも、子梟を馴らせ飼育すれば猫以上に鼠避けで活躍してくれるので、奔流化してもおかしくないが、禍鳥と規定されてしまえば回避されることになる。

その性情はよく知られていたようで、猛禽としての活動を示すのが、木で眺めている姿の䲷で、捕獲後に跳べぬように棒の先に縛っている状態が梟。後者はズクと呼ばれる、鳥黐獲方法。小鳥は危険な猛禽を発見すると、枝に留まって甲高く鳴き続けて仲間を集める流儀に合わせた技術。一種の案山子だが、フクロウ処刑を思わせる形式なのが印象的。

もっとも、多くのフクロウ解説では、夜間に林から聞こえて来る鳴き声の不気味さがこの鳥の一大特徴とされている。金属的な音の鳴き声もあり、これは不快だろうが、フッ〜フッ〜という程度の音ならそう目立つとも思えないがえらく嫌われたようだ。
その本質は、狼の夜の遠吠え同様な、存在アピールだろうが、一般に考えられている鳥の囀りとは余りに異質ではある。従って、古代人にとっては怪そのものであるのは間違いあるまい。
ただ、「山海經」的怪視点だと、鳥なのに耳があるし、顔は平板上でまん丸な眼玉があって猫や人とウリな点が強調されることになろう。

ここらは結構重要な点で、一旦、凶兆鳥とされると、邪をもって邪を制する呪術用として超重要な鳥とされておかしくないからだ。
儒教的判断はその点でぬかりはなく、鳥巫の流れを打ち切る算段に踏み切ったと見てよいだろう。地蜂譚の養育重要性同様に、ここらは巧妙そのもの。

尚、フクロウ系の同定は無理だろう。

【鴞形鳥類】
│ 林鴞フクロウ[梟]wood owl
│     褐林鴞オオフクロウ[大梟]brown wood owl
│   鵂鶹スズメフクロウ[雀梟]Eurasian pygmy owl
│   魚鴞ウオミミズクfish owl
│   角鴞コノハズク[木葉木菟]Oriental scops owl
│   長耳鴞トラフズク[虎斑木菟]long-eared owl
│     短耳鴞コミミズク[小耳木菟]short-eared owl
│   雕鴞/鷲兔ワシミミズク[鷲木菟]Eurasian eagle-owl
│   (日本)鷹鴞アオバズク[青葉木兎]Northern boobook
│ 草鴞メンフクロウ[面梟]barn owl


文字群としては、こんなところ。・・・
梟 䲷
𩾒 𩾓 𩿋
𩾣 鴵

鴟鴞
<貓頭鷹>
<不孝鳥>
  雀梟
  鴝鵅
    木菟 老𪆆
    鴟鵂 鵂鶹 鶹鷅
    𩾹
      木葉木菟
      鵋鶀
      𪃕
        別譚ではあるものの
        𪀢鵩
          怪的@「山海經」
          䳤𩿧 𪃍 𪃑
【注意点】「爾雅」の記述にはどうみても鴟鴞類では無い鳥が入れ込んである。・・・
     鴟鴞 鸋鴃   狂 茅鴟 怪鴟 梟 鴟

  

     

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