■■■ 「說文解字」卷一〜巻十四を眺める[系列]  ■■■
全巻に目を通せば、最後に巻十五の文字目録(文字番号が振ってあるので、現代の索引風に映るが、その目的で収載された訳ではない。)に往き付く。
其処で、知識人であれば必ず文字宇宙の構造をつらつら想うことになるし、科挙受験生であれば(一握りの貴族以外は、官として任用されなければ、支配階層としてみなされないので若年層という思い込みは避けた方がよい。)かなりの数なので、どう暗記すると効率的か文字通り必死になって思案することになる。
叙には字体で整理したという点以外、そのヒントの欠片さえ無いから、色々と独自の覚え方があったに違いないが、そのバラエティさは半端なものではなかったと思われる。従って、現代では、滅多なことでは分類整理はしない。常識的には、天体とか、動植物、というカテゴリーで分別するのが合理的ということになるが、「說文解字」の方針は≪易≫的合理精神であくまでも字体の疑似紐帯による直系整理に徹しているから無用ということになろう。

はたして、太安万侶的見方だと文字宇宙秩序とはどう解釈することになるだろうかうか?ということで始めたのが本サイトの≪KOJIKI読みのための「說文解字」≫だが、以下の様に映ったと考えた訳である。・・・

特段の難しさはない。
「古事記」の様に意味ある記載単位が譚ではないから、上中下巻x前中後構造にはできない。従って、巻分割は補助的なもので、字体の直系を想定できるように巻建てをすることになる。

Keyは6文字。このうち"口"が中核。
   一  丄 口 言 喜  二
五行で系譜を考えれば、自然と全体構成が見えて来る仕掛け。ただ部分的に半独立的な傍流がある。
丄→ 示〜告→口
  口→言→ 死  人 儿
          
          
  口→喜→
二→ 土 金 甲 子

巻一で、巻二冒頭への繋がり、<艸>が傍流として入ってくる点、<一→二>という跳び巻継続の記述方法を知れば、上記の構成はある意味自明である。ただ、それでも、かなり解り難い箇所はある。<言〜又〜攴〜//〜放〜死>の様に中途に入る傍流文字が多いとわからなくなりがちだからだ。しかし、跳びの見極めがつけばどうということはない。
  巻四≪死≫から、巻八≪人≫に跳ぶ。
     (人の字体へ繋がりそうな文字が他に無い。)
  ≪木≫の次が東だが、それは傍流。
     (日月系なのでそう見えないが。)
  巻八の㳄から卷十一の≪水≫へ跳ぶ。
     (明らかにこの文字を入れてある。)
  


卷一【一】
【丄】示三王<玉玨气士>h<屮艸茻>卷二小八半牛【口】凵吅哭走止{癶步此正是辵彳廴㢟行齒牙足疋}龠冊 卷三㗊舌干𧮫只㕯句 丩十卅
【言】音䇂𠬞𠬜共異舁𦥑䢅爨革鬲䰜爪丮鬥𠂇史支𦘒畫隶殺𠘧皮㼱
<教卜用爻㸚>卷四<𡕥䀠眉盾𪞶皕習羽雈𦫳𥄕羴瞿雔雥𠦒冓幺𢆶叀玄予>
𠬪𣦼≪死≫冎骨肉筋刀刃㓞丯耒卷五角竹箕丌
<左工㠭巫>
甘曰乃丂可兮号亏旨
【喜】鼓豈豊豐䖒虍虎虤皿𠙴去血丶丹青井食亼會倉缶矢冂𩫖京亯㫗嗇來麥夊舛舜韋弟夂久
卷六≪木≫
林才叒之帀出𣎵生乇𠂹𠌶華𥝌稽巢桼束㯻囗員貝邑𨛜卷七旦倝㫃冥晶有朙囧夕多毌𢎘𣐺𠧪齊朿片鼎克彔禾秝黍香米毇臼凶朩𣏟麻尗耑韭瓜瓠宮呂穴㝱疒𠔼冃㒳网襾巿帛白㡀黹●
卷八≪人≫𠤎比北丘㐺𡈼臥身老毛尺尾履舟方
≪儿≫兄兂皃𠑹先禿見

卷九𦣻面丏首𥄉彡彣文后司卮卩印色𠨍辟勹包茍鬼甶厶嵬山屾屵广厂丸危石長勿冄而㣇彑豚豸𤉡易象卷十馬𢊁鹿麤㲋兔萈犬㹜鼠能熊≪火≫炎K囪焱炙赤大亦夨夭交尣壺壹㚔奢亢夲夰亣夫立竝囟思心惢●
卷十一≪水≫沝瀕𡿨巜川泉灥永𠂢谷仌雨雲魚𩺰燕卷十二𠃉不至西鹵鹽𦣞𠦬丿𠂆氏氐戈戉我亅珡匸匚曲甾瓦弦系卷十三糸素絲率虫䖵蟲風龜黽
【二】
≪土≫垚堇里田畕黃男力
卷十四≪金≫幵勺几且斤斗矛𠂤𨸏𨺅;厽●
宁叕亞五六七九禸嘼
≪甲≫乙丙丁戊己庚辛壬癸
≪子≫了孨𠫓丑寅卯辰巳午未申酉戌亥●
     

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