■■■ 「說文解字」 卷一 を眺める[5] ■■■
「古事記」では、序の混元〜飛鳥の漢文には艸文字は使われていないが、本文の別天~では"如葦牙因萌騰之物"が登場するし、民としての"人草"概念もあり、極めて重要な想念を含んでいる文字が、巻一に登場する。

鍵を握る文字は"h"。
上からの運筆と、下からの運筆では、本来的には別文字であったことを示唆する短い解説が秀逸。これを、下から生き生きと立ち昇る、初生たるsproutの様として1つに確定したことが記載されているようなもの。

⑤王→⑥h[丄↑ or 丅↓]→⑦屮→⑧艸→⑨蓐・茻

いかにもと思える部首文字が並ぶなかに、沢山ある草冠文字のなかから"蓐"だけを抽出した印象を与えるが、"茻"を形成している文字である以上、理屈から、部首と認定せざるを得ない。
しかし、straw bed matという字義が、格別重んじられていることを意味していることもあろう。太安万侶もこれには大いに納得では。初代天皇婚姻寿歌は≪葦原の 穢しき小屋に 菅畳(蓆) いやさや敷きて 吾が二人寝し≫なのだから。

"h": 非使用
   "中": 113用例
"屮": 非使用
   "屯": 又定倭屯家 定淡道之屯家也 定渡屯家 亦副五處之屯宅以獻 所謂五村屯宅者
"艸": 非使用
   "芝": {芝賀波能}
   "蘇": 22用例
   "荏": 娶山代之荏名津比賣
   "蓼": 於今者云日下之蓼津也
   "苦": 6用例
   "菩": 7用例
   "菅": 御陵在菅原之御立野中也 以菅疊八重 菅竈上由良度美 御陵在菅原之伏見岡也
   "蒲": 乃生蒲子 蒲生稻寸 取其水門之蒲黃
   "藝": 63用例
   "蘿": 亦其身生蘿及檜榲
   "葛": 26用例
   "苽": 如熟苽振折而殺也
   "萌": 因萌騰之物而成~名
   "葉": 10用例
   "英": 敷英風以弘國(序の漢文)
   "茲": 12用例
   "荒": 17用例
   "落": 15用例
   "菜": 採其地之菘菜時
   "苑": 今葛城之五村苑人也
   "芳": 周芳國造
   "藥": 此人深知藥方
   "茨": 8用例
   "葺": 7用例
   "若": 132用例
   "蓴": 以海蓴之柄
   "茹": 茹矢打立其木
   "萎": 如此竹葉萎而青萎 姿體痩萎
   "蒜": 以其咋遺之蒜片端
   "葦": 29用例
   "蕃": 以萬~蕃息與 {美蕃登}見炙
   "草": 16用例
   "藏": 弭弓藏兵 始任藏官
"蓐": 非使用
"茻": 非使用
  


一丄示三王玉玨气士h屮艸蓐茻 

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