■■■ 「說文解字」 卷四 を眺める[1]  ■■■
巻三から急に部首の数が増え、専門家はどうということもないだろうが、素人は俯瞰的に見るのが格段に難しくなる。それでも、<口>の展開ということで、なんとか頭の整理がつく。
しかし、巻四になると、漫然と、いくつかのグループが放り込まれているかのように映るので、一瞬、お手上げ感に襲われるが、しばらく眺めていると、それなりに連関性がありそうにも思えてくるから不思議。かなり配慮して編纂されていることがわかる。
卷一(一丄示三王玉玨气士h屮艸蓐茻)
卷二 (小八釆半牛犛告口凵吅哭走止癶步此正是辵彳廴㢟行齒牙足疋品龠冊)
卷三 (㗊舌干𧮫只㕯句 丩古十卅言誩音䇂丵菐𠬞𠬜共異舁𦥑䢅爨革鬲䰜爪丮鬥又𠂇史支𦘒聿畫隶臤臣殳殺𠘧寸皮㼱攴教卜用爻㸚)
卷四 (𡕥目䀠眉盾自𪞶鼻皕習羽隹奞雈𦫳𥄕羊羴瞿雔雥鳥烏𠦒冓幺𢆶叀玄予放𠬪𣦼歺死冎骨肉筋刀刃㓞丯耒)

・・・考えて見れば当たり前か。
「說文解字」は、ある意味、漢字の博物学的著作であるが、そのことをともすれば忘れがちになるからだ。古代漢籍で、字体が確定されており、一番網羅的で、字義解釈の内容も充実しているから、どうしても漢漢"辞書"として使ってしまうので致し方ないが、本来は索引・検索無用の著作だろう。(漢和辞典の部首や画数は検索道具として設定されている。)

さて、その巻四だが、巻三の<又>の展開ということになろう。階層は深いが広がりは抑えているので明快。
<口>→<又>
  →<目>→<鼻>
        →<羽>→<隹・鳥>→<羊>
                →<幺>→<玄>
  →<放>→<死>
        →<骨>→<肉>→<筋>
                →<刀>→<耒>

この2つの流れの設定には、思想性を感じずにはいられない。
「古事記」では、目鼻は貴~の出所。文字的に聖鳥はその系譜に属すことになる。
一方、神避という死の世界では、穢れた骨肉化してしまう訳だが、刀とはその系譜に属すことになる。
  

𡕥目䀠眉盾自𪞶鼻皕習羽隹奞雈𦫳𥄕羊羴瞿雔雥鳥烏𠦒冓幺𢆶叀玄予放𠬪𣦼歺死冎骨肉筋刀刃㓞丯耒 

│ 巻三

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⑥⑥⑥⑥⑥⑥⑥
│││殳臤𦘒𠂇
攴皮寸
├┬┬┐
││⑦⑦
││卜教
││ 巻四
𡕥
││

│├┬┬┐
││││
│││
││

│├┐
││
𪞶
│├┐
││

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│││├┬┬┐
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│││││││
││││││
│││││
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││

││
𦫳
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│││𥄕
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│││
││
𠦒
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││
𢆶
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│││
││

├┐
①①
放𠬪

𣦼
├┐
③③
歺死
│└─────────⇒巻八







├──────────⇒巻五

├──────────⇒巻五







     

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