■■■ 「說文解字」 卷五 を眺める[1] ■■■ もっとも、だからこそ、ここは巻二、巻三、巻四から繋がる補遺的な巻でもあると早くに見通せたということでもあるのだが。 文字数多き部首にハイライトを与えようとの意向もなさそうだし、性情的にも無関連な文字列に映る。その一方で、ミクロには字体類似性の部首の小グループの存在が目立つから乱雑感がさらに増す。 この状態であれば、テキトーに仕上げたと見なすのが普通だろうが、その手の措置を唾棄すべきものとしていそうな著者の仕事であるから、じっくりと拝見しかなかろう。太安万侶も、おそらくサロンで冗談半分に互いに色々な見方を言い出して、アーでもない、コ―でもないと、愉しい時間を過ごしていたのではなかろうか。 小生は、直観的に、先ずは、以下の様に段分割した。最後はダラダラと並んだ文字列で、部分部分で脈絡なき字体類似性はあるものの、いかにも難題。しかし、それを至難と考えなければ、実はたいした問題ではない。 ㊀ 角竹箕丌 ㊁ 左工㠭巫 ㊂ 甘曰乃丂可兮号亏旨 ㊂ 喜壴鼓豈豆豊豐䖒虍虎虤 ㊃ 皿𠙴去血丶丹青井 ㊄ 皀鬯食亼會倉入缶矢高冂𩫖京亯㫗㐭嗇來麥夊舛舜韋弟夂久桀 これができさえすれば、この巻の構成の取り纏めはすぐに出来上がる。 さて、巻冒頭部首の"角"だが、「古事記」用例では、はもっぱら固有名詞。・・・ 角杙~ 角鹿海直 木角宿禰 櫛角別王 高志前之角鹿 葛城忍海之高木角刺宮 ただ、 韓帒(佐々紀山君祖)曰:「・・・其立足者 如荻原 指擧角者 如枯樹」 とある。この地の鹿は数多く立派で、角だらけですゾと云うだけの話だろうが。この部首に属する文字としては、瓦解の"解"があり、10ヶ所以上使用されている。「說文解字」によれば、この場合は牛角。 ⏩続 │ 巻三 ⑤又 ├┬┬┬┬┬┬─┐ ⑥⑥⑥⑥⑥⑥⑥ │ 攴皮寸殳臤𦘒𠂇 │ │ ┌─────┘巻五 │ ①左─②工─③㠭─④巫 │ ① 巻四 │ ⑦筋 ├┐ │⑧刀 │├─⑨ ││巻五 │①角 ①竹─②箕─③丌 ⑥口 巻二 ├┬┬┬┐ ││⑦⑦⑦ ││品吅凵 │└──┐巻三 ├┬┬┐└───┐ │││├┬┬┬┬│─┐ │││││││││ │ ①①①①①①①①① │ 言古丩句㕯只𧮫舌㗊 │ ┌─────────┘巻五 ├┬┐ ①①① 喜甘曰 │├┐ ││②旨 │②乃─③丂 │ ├┬┬┐ │ ④④④④ │ 可兮号亏 ├┬┐ ②②② 壴鼓豈 │ ③豆 ├┬┐ ││├┬┐ ││④④④ ││䖒豐豊 │││ ││⑤虍─⑥虎─⑦虤 │④皿 │├⑤𠙴─⑥去 │└⑤血─⑥丶─⑦丹─⑧青─⑨井 ④皀 ├┐ ⑤⑤ 食鬯 │ ⑥亼 ├┬┐ ⑦⑦⑦ 會倉入 ├┬┐ ⑧⑧⑧ 缶矢高 ├┬┬┬┬┬┐ ⑨⑨⑨⑨⑨⑨⑨ 冂𩫖京亯㫗畗㐭 ├┬┐ ⑩⑩⑩ 嗇來麥 ├┬┬┬┐ ⑪⑪⑪⑪⑪ 夊舛舜韋弟 ├┬┐ ⑫⑫⑫ 夂久桀 └─⑬ ⇒ 巻六 (C) 2024 RandDManagement.com →HOME |