■■■ 「說文解字」 卷六 を眺める[4]  ■■■
艸木としての<木>の後続部首だが、該当部首が並ぶ割には、収載文字の数は少なく限定させていることがわかる。
生命の息吹出現的字義の文字はそうそう無いという見立てか。

├┬┬┬┬┬┬┐
②②②②
東林𣎵生乇

  "才"…(他文字非収載)
  "之"…(他に1文字収載)
   →>"出" "敖" "賣"(この他に2文字収載)
   →>"帀" "師"…(他文字非収載)
  "生"…"產"(他に4文字収載)
  "乇"…(他文字非収載)

「古事記」では、"之"は1500以上の用例がある最頻使用文字。
"賣"はよく見かけるが、用例数は400には達していないし、多そうな"出"でも100余である。"師"は22用例で、字義を踏まえて固有名詞に採用していそう。序文で六師雷震とあるし。

"生"は229用例。訓としては宇牟であり、生~・生御子は分かるが、生大刀・生弓矢や生尾人としても使われており、独特な字義を措定していた様にも思える。
一方、字義が生とされる"產"は31用例。序の漢文で孕土產嶋とあるし、臨產時との用例もあるので、その通りだが、產巢日~との固有名詞用法もあるから、イメージは異なっている可能性があろう。

但し、"南"の部首である<𣎵>だけは、それなりの展開を見せている。
𣎵
├┬┬┬┬┬┬────⇒巻七
③③③③③③③
𠂹𠌶華𥝌稽巢桼
  "𣎵"…"索" "南"(他に4文字収載)
  "𠂹"…(他文字非収載)
  "𠌶"…(他に1文字収載)
  "華"…(他に1文字収載)
  "𥝌"…(他に2文字収載)
  "稽"…(他に2文字収載)
  "巢"…(他に1文字収載)
  "桼"…(他に2文字収載)
「古事記」では、"華"は序の漢文でのみ、放牛息馬ト悌歸於華夏として見える。
"稽"は序の漢文で、莫不稽古以繩風猷於既頽とある。本文では、現代でも一部で使われている用法がある。
  稽首白:「・・・」
"巢"は鷺巢池として鳥との関連文字でもあるが、固有名詞に用いられることも多い。その場合の意味はよくわからない。
  


木東林才叒之帀出𣎵生乇𠂹𠌶華𥝌稽巢桼束㯻囗員貝邑𨛜 

├┬┐ 巻五
⑫⑫⑫
夂久桀
┌─┘ 巻六

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②②②②②  │
東林才叒之  │
│   ├┐ │
│   ③③ │
│   帀出 │
│      ├┬┐
│      ②②②
│      𣎵生乇
│      ├┬┬─┬┬─┬─┬──⇒巻七
│      ③③③ ③③ ③ ③
│      𠂹𠌶華 𥝌稽 巢 桼

├──────────────────⇒巻七

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