■■■ 「說文解字」 卷九を眺める[9]  ■■■
彡は毛飾畫文とされているが、六書の象形・指事という概念の曖昧さを認識していることがわかる解説と云えよう。

そもそも、字体が三と似ている以上、象徴的記号としての役割があっておかしくないないし、形あるものも、彩や影だけのものも、象形的に扱うしかないというのも特筆もので、形而上と形而下の線引きはできないことを意味している。ただ、情緒的なだけに、文字丸暗記には便利この上なかろう。

"彣"、"顔"、"彥"類は文身を意味していると思われるが、中原では古代は生贄用捕虜か刑人の入墨印であり、そこらに触れるのはためらわれるのだろう。刑罰以外の入墨禁止の唐代でさえ、南部地域の人々や都のパンクは刺青美しきで、遵守にはほど遠かったのだから。

揚子江流域からは、嫌っていた異民族慣習の刺青だけでなく、"彭"や"𫹉[非収載]"の文化も流入したが、その様な奔流の存在は、初の漢族国家としては取り上げたくはないだろう。(現代用語の漢族とは擬制。漢族王朝は、漢と明だけと考えるべきで、他は渡来民族王朝。)

そこらを踏まえて、「說文解字」の渾身の解釈<毛飾畫文>を味わうとよい。どう見たところで、この文字の展開は髪なのに、毛に拘るところが秀逸。

よく知られた文章を引用すれば、その意味するところがわかろう。・・・
隴西羌[「漢書」卷七十九 馮奉世傳第四十九]
西伯將出獵 卜之 曰:「所獲 非龍 非 非虎 非羆 所獲霸王之輔」[「史記」巻三十二 斉太公世家第二]
彡は甘粛辺りの勢力<羌>の呼名。この文字の発祥は西域ということのようだ。太公望が言う、龍に対抗する"彲[非収載]"とは、先進文化(尨 鬽 䑣 衫 彤)地域の信仰対象だったということだろう。(長毛大型犬であるから寒冷地で揚子江流域ではない。)

彡 須 𥄉 首 髟 彣
---彡[象形]
:象形[幵]
:稠[人]
[攸]
[章]
:琢[周]
𩇕:清[青]
:細[𡭴]
:橈 上象橈曲 彡象毛氂橈弱 弱物并[二𢎥]
[采]
[非収録]彲 杉 ソ 肜 參 𫹉
[麗] [木] [金] [月] [厽大] [酉]
---須:面毛[頁]
:口上須[此]
:頰須[冄]
𩔹:須半白[卑]
:短須[否]
---𥄉:到首[賈侍中說…此斷首到縣𥄉字]
:繫[系持𥄉] ⇒ 郻【地名】
---:𦣻同 古文𦣻[巛象髪 謂之鬊…鬊卽巛]
:下首[旨]
---髟:長猋猋[長]
:根[犮]
:頰[賓]
[㒼]
[監]
[差]
[卷]
[毛]
[臱]
[周]
𩯨[爾]
[咅]
𩭾至眉[敄]
:女鬢垂皃[前]
:鬋[兼]
𩯰:束[截]
:髲[易]
:鬄[皮]
:用梳比[次]
:潔[𠯑]
:臥結[般]
𩬙:結[付]
:帶結[莫]
:屈[貴]
:簪結[介]
鬣鬣[巤]
:鬣[盧]
:髴 若似[弗]
:亂[茸]
[隋]
:鬢[春]
:鬢秃[鐓
𩮜:鬀[刀 易]
:𩮜[兀]
:𩮜[弟]大人曰髡 小人曰鬀 盡及身毛曰𩮜
𩮗:䰁[竝]
:𩮗 忽見[彔] 彔…籒文魅 亦忽見意
:喪結 魯臧武仲與齊戰于狐鮐 魯人迎喪者 始髽 [坐]
:馬鬣[耆]
:小兒垂結[召]
:緫[吉]古通用結
:緫[睘](案)古婦人首飾 琢玉爲兩環[此二字皆後人所加]
---彣:㦽[文]
:美士有 人所言[厂]

:乍行乍止[止]
聿 𠘧 寸
𦘔:聿[聿] 俗語以書好爲𦘔
:新生羽 而 飛[𠘧]
𢒫:繹理[尋][工+口+又+寸][工+口+亂][又+寸+分理之]

:艸蔡[h]
壴 虎 丹 鬯
:鼓聲[壴]
:虎[虎] 象其文
:丹[丹] 彡…其畫
𩰪:芳艸 十葉爲貫 百廾貫築以煑之爲𠙴[𦥑+冂+缶+鬯] 彡…其飾

[禾+㣎]
衣 舟
:衣[衣]
:船行[舟]

:老精物[鬼]

:犬之多[犬]
  


𦣻面丏首𥄉須彡彣文髟后司卮卩印色𠨍辟勹包茍鬼甶厶嵬山屾屵广厂丸危石長勿冄而豕㣇彑豚豸𤉡易象 

│ 巻八

├┬┬┬┬┬┬┬┬┬┐
②②②②②②②②②②
儿尸毛老衣身臥𡈼从𠤎
││

││ 巻九
𦣻
│├┬┬┬┐
②②②②②
面丏首𥄉須
│┌───┘
│├┬┬┐
③③③③
彡彣文髟
│   │
│  ※↓
├┬┐
││
├┬┐
││②②②
││司卮卩
││  ├┬┬┐
││  ③③③③
││  印色𠨍辟


├┬┐
②②②
甶厶嵬
    ├┐
    ④④
    屾屵
     ├┐
     ⑤⑤
     广厂
      ├┬┐
      ⑥⑥⑥
      丸危石

   ※↑
┌──┘

├┬┐
⑤⑤⑤
勿冄而


├┬┬┬┬┬┬──── ⇒巻十
⑦⑦⑦⑦⑦⑦⑦
㣇彑豚豸𤉡易象
     

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