■■■ 「說文解字」 卷十一を眺める[3]  ■■■
巻十一の<水>の後継部首設定には恐れ入る。
 巻八
│ 巻十一

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②②②②②②②②
燕龍沝𡿨永谷雨魚
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「古事記」では無視されている文字だが。
─①水─
"燕": 非使用
その字義も字体もおよそ水とは縁遠い。
  玄鳥:"つばくらめ"は水鳥ではない。
     (唾で、喰らった土を固めた巣で子育てする暗黒色の女鳥)
  燕/㷼=廿(頭)+北(左右翼)+口(胴体)+火(尾羽)

なんなんだ、ということになるが、殷の始祖 契の出生譚で簡狄が野外で水浴中に玄鳥の卵を飲んで妊んだことを採り上げたかったとしか思えない。要するに、水浴中という点に着目した訳だ。
よく知られているように、もともとの五徳終始説での「水」王朝は、「火」の周王朝に続く秦王朝で殷/商ではない。しかしながら、漢代の五行相生論では、殷が「水」とされていたとも言われる。

一方、dragonは使用されている。
─①水─
"龍": 濳龍體元(序の漢文)
こちらは鱗蟲之長だから、水棲には適しているし、その様な話は山ほどある。特に、降雨の力があるから水とは切っても切り離せない存在。
ただ、燕と並ぶのであるから、こちらは前漢の初代皇帝 劉邦の出生譚に係るという点で採択したと見た方がよさそう。父が沢の側でうたた寝し母の上に龍が乗る夢を見たことが出産に繋がるというもの。
部首に属す文字に収録されていないものの、龍の本質はここらにある訳で。
  龍=㡣=靇

─①水─②龍─
"非": 14用例
─①水─②龍─
"飛": 14用例

この先は〔𠃧→⺄(乙繞)〕なので字体からは繋がる論理はわからないが、字義は疾飛であるから此処しかないということか。
─①水─②龍─③飛─
"卂": 非使用
  


水沝瀕𡿨巜川泉灥永𠂢谷仌雨雲魚𩺰燕龍飛非卂 

│ 巻八

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│ 巻十一

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②②②②②②
沝𡿨永谷雨魚
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③③③③③③
瀕巜𠂢仌雲𩺰
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②②
燕龍
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 ③③
 飛非
 │└───────────巻十二
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 └────────────巻十二
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