■■■ 「說文解字」 卷十三を眺める[8]  ■■■
巻十三は中途で断絶があって、突然に<一⇒二>の系譜が始まる。二は地之數であり、当然ながら<二⇒土>と繋がる。
これこそが「說文解字」の基本コンセプト。従って、これは何度でも思い返す必要がある。(二本横棒なので、天と地と考えるのが普通だが、そうではない。あくまでも数。天と地という見方は、現代なら抽象的な表現に映るが、事実上象形である。)

特に、「說文解字」型は我々が馴染んでいる樹上分類表記ではないが、系譜を考える場合はその発想ないと頭がついていけないので厄介極まる。
今迄、特に説明もせずに、系譜図を提示して来たので、<土→里[土+田]→田[口x4]>が好例なので、ここらで触れておこう。・・・

造字が<A+B⇒AB>の場合、文字解説の順番としてはA→B→ABとしたくなる。しかし、A→Bとの字体関連性が存在していない以上、A→AB→Bの順番の方が論理的である。
このため、「說文解字」では、配慮されているとはいえ、A→AB→AC→AD→AA→Bとの順番になりかねない。
さらにこの後続がB→BM→BNだったりする訳で、その一方で、A→AB→B→[AB]X→[AB]Y→[AB]Zという造字も記載することになれば、どうしても表記は錯綜してくる。それでも、これらが繋げてあればわかるが、次巻に跳ばしたりするので厄介極まる。
十三巻はそれが甚だしいが、ここは逆に、極めてわかり易い。よく考えて順番(文字系譜)を設計してあることがわかる。

巻十五に、ナンバーリンク付きの全部首目録を収録しているのは、こうした系譜図を俯瞰的に確認できるよう配慮している訳で、構造図に近く、検索用途のオマケではない。
____
__┌─┴┐
____丄─示┐
_______
┌─┴┐____
______─・・口─吅品
____┌──┐__
__└──里__└──田
___________
___________畕黃男
四五・・・

上記の<三→・・・→口>も、半[八+牛]とあるから順番に合わせて系譜をつけると以下の様になる。各行の最終文字は独自性があるが、文字宇宙のなかでは、ここに位置付けされるということ。

_┌─┐
└─王_└─h
______└┬──八
______┌┴┐_┌─┐
_______└─半_└─牛
______________h_┌─┐
______________└─告_└─口
  


糸素絲率虫䖵蟲風它龜黽卵二土垚堇里田畕黃男力 

│ 巻十二

├┬┐
⑫⑫⑫
弓甾曲
├┐
⑬⑬
弜弦
┌┘

│ 巻十三

├┬┐
②②②
素絲率
┌─┘

├┬┬┐
④④④④
䖵蟲風它
┌──┘
├┐
⑤⑤
龜黽



-----

  巻一

│   巻十三

├─────── ⇒巻十四

├┬┬───── ⇒巻十四
③③③
垚堇里
┌─┘

├┬┐
⑤⑤⑤
畕黃男

     

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