■■■ 「說文解字」 卷十四を眺める[13]  ■■■

"萬"は数字列最後の九の派生文字部に収録されている。
  ─[厹][部所属]
構成要素は[⺿+田+禸(冂+厶)]だが象形文字。
字義は蟲で、所属部からすると、野獣類イメージが強い。

「說文解字」表示の親文字は小篆なので、これだけではどの様な動物か想像がつきにくいが、金文を見ると、一目瞭然の感あり。
体躯は瓜型。背には大きな模様があり、目立つ2本の鋏手が前方に伸び、後方は尾が長く曲がっている。その尾に脚がに付いている姿。
随分とデザイン的に変えられたことがわかる。(艸冠ではないし、田が使われている訳でもない。字体としては、𥝅が望ましい。)
ただ、この文字は萬物・萬人・萬民・萬方・萬里・萬世という無数大数的な用例だらけで、この原義との繋がりがわからない。

一般的な解釈としては、字形上、萬蟲/蠆とは蠍/蝎子とされているが、膨大な数を想い起させる蟲という点では、はなはだ疑問。しかしながら、他に思いつかないから致し方ない。
ただ、妖術用途に使われていたから、巨大化とか巨数化イメージが与えられていた可能性はあるかも。

もっとも、無理にそこまで当て嵌めなくても、秦代に字体デザインを大幅に変更した目的を考えると、サソリが嫌われて、ザリガニに当てたと解釈する手はある。蝦系なので、更なる無理筋と云えないでもないが、蝗並みの大発生の可能性はゼロでは無い。
もちろん、極めて稀な事象だが、広大な水場が造成されたため、たまたま卵がほとんど喰われず、餌も豊富な環境が生まれたりすれば、と考えただけだが。
  


金幵勺几且斤斗矛車𠂤𨸏𨺅厽四宁叕亞五六七九禸嘼甲乙丙丁戊己巴庚辛辡壬癸子了孨𠫓丑寅卯辰巳午未申酉酋戌亥 
  巻一

│   巻十三


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③③③ │
垚堇里 │
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││  巻十四
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①①
金幵
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②②②②②②
勺几斤斗矛車
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│   𠂤𨸏𨺅


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𠫓

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