■■■ 「說文解字」 卷十四を眺める[14]  ■■■

「罰書」とはどの書を意味するか、どの様な規定が詰まっているのかわからぬが、文字からは、法とか令のレベルの下層に位置づけられる様なイメージが浮かぶので、文字宇宙の秩序論叙述には不適な引用書の様な気もする。
  ゚[鋝] 《罰書》 列百゚
  (「尚書」[呂刑] 墨辟疑赦 其罰百゚ 閱實其罪)

重さの量詞ということになる。
  鋝[十銖二十五分之十三  北方以二十兩爲鋝]

そもそも、"罰"は、"詈"や"罪"と違って、捕魚用具出自の<网/罒>部には収録されていない。
  网:庖犧所結繩以漁[冂 下象网交文]今經典變隸作䍏
文字字体は常用だったにもかかわらず、掲載を見送った理由はわからぬ。

"罰"関係の文字は特殊という訳ではなさそうなのに。・・・
:罰[言+啻]聲
𠟟:辠之小者[刀+詈]未以刀有所賊 但持刀罵詈 則應罰
:罰辠[井+刀]
:小罰以財自贖[貝+此]聲
:熊旗五游 以象罰星 士卒以爲期[其]聲
:鄉飲酒 罰不敬 撻其背[達]聲

考えてみれば、取り扱いが難しい概念である。
気付く人は少ないようだが、現代でも、中国や朝鮮半島ではおそらく素知らぬ顔での説明回避しかなかろう。

・・・勿論、儒教国外だと、一般には罪とは単純明快。
従って、゚には罰金イメージが生まれる。もっとも、大陸での罰と云えば、罰金ではなく、残虐な措置を思い浮かべたりするかも知れぬが。
どうあろうと、普通、罰は当該個人が背負うものとの前提がある。これは、非儒教信仰者にとっては当たり前と思われる観念だろう。たとえ輪廻信仰者であっても、生まれ変わって罪を受け継ぐことになるだけ。
ところが、儒教社会ではそうはいかない。罪は宗族が負うものだからだ。従って、その罪は子々孫々まで受け継がれることになる。逆に言えば、敵対した許し難い輩に対しては、その子々孫々まで刑罰を与え続ける必要があるとの考え方を取らざるを得ない。
儒教的合理主義があるから、当座、損得勘定でそれを表に出さないことの方が多いだろうが、儒教に染まっている以上、これは変えようがない大原則。
  


金幵勺几且斤斗矛車𠂤𨸏𨺅厽四宁叕亞五六七九禸嘼甲乙丙丁戊己巴庚辛辡壬癸子了孨𠫓丑寅卯辰巳午未申酉酋戌亥 
  巻一

│   巻十三


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③③③ │
垚堇里 │
│┌───┘
││  巻十四
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①①
金幵
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②②②②②②
勺几斤斗矛車
│ │   │
│   𠂤𨸏𨺅


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𠫓

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