■■■ 「說文解字」 卷十五【叙】 を眺める [9aa] ■■■
巻十五叙は、"說文解字第十五 漢 太尉祭酒許愼記"との記名で〆かと思いきや、そこから続叙となる。もともと存在していたのかはなはだ疑問を覚える。
完成後に、さらに付け足したと解釈しておこう。

その冒頭は、解題的で、【部の構成】が詩文の如くに解説されている。
見かけは、その通りだが具体的な部形成の方法について説明している訳ではなく、9,352文字の字体編纂で540部を構築した、133,441字の大部の書を完成した偉業に対する自家讃以上ではない。
讃叙
 其建首也 立一為耑  方以類聚 物以群分
 同牽條屬 共理相貫  雜而不越 據形系聯
 引而申之 以究萬原  畢終於亥 知化窮冥

部首を建てるに当たっては "一"を立てて端緒とする。
同類は集合するし 万物は特徴の群に分かれる。
筋が通じていれば 同属として連鎖するし、
理屈が共通するなら 互いに連なることとなる。
雑多ではあるものの 属す部を越えてしまうことは無い。
形に依って連繋することになり
  引き継ぎ伸展して行くことになる。
こうして
萬物の世界の究極に到達し 最終的には"亥"で完了する。
変化の妙を知り 宇宙的深淵を究めることでもある。

しかも、いくつかの句は恣意的な引用。・・・
「說文解字」
方以類聚 物以群分
「易」繫辭上
天尊地卑 乾坤定矣 卑高以陳 貴賤位矣 動靜有常 剛柔斷矣
方以類聚 物以群分 吉凶生矣


「說文解字」
雜而不越
「易」繫辭下
子曰:「乾坤其易之門邪? 乾 陽物也
    坤 陰物也 陰陽合コ 而 剛柔有體
    以體天地之撰 以通神明之コ 其稱名也 雜而不越
    於稽其類 其衰世之意邪?」


「說文解字」
引而申之
「易」繫辭上
是故 四營 而 成易 十有八變而成卦
八卦而小成 引而伸之 觸類而長之 天下之能事畢矣

  

叙 漢 太尉祭酒許愼記 

    

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