■■■ 「說文解字」 卷十五【叙】 を眺める [10] ■■■
巻十五叙⑬には基本テキストとして儒教経典が並べられているので、その注釈。

尚古主義である以上、経典としては【周書六經】を採り上げたかっただろうが、散逸書の「樂」は除外せざるを得ない。
【儒教五経典】
  「易」孟氏
  「(尚)書」孔氏
  「詩」毛氏
  「禮」周官
  「春秋」左氏
【儒教七経典】
  「論語」
  「孝經」

もちろん字体の書だから、すべてが古文であるからという論理になる。

先ず、「易」だが、孟喜學派の<孟氏易>である。道教的な色合いを消したテキストであることを示したかったようだ。
 三易
  「周易(卦爻辞)」…≪經≫
    +「十翼(附文)」…≪儒教的解釈≫
  「連山(夏易)」
  「帰蔵(殷易)」
易は、道教との親和性が極めて高く、土着信仰と深く結びついているが、雑家の「淮南子」以外の書は避けるのが、儒教社会での常識。
 三玄
  「易(經)」
  「老子(道徳経)」
  「荘子」
 三奇書
  「易(經)」
  「黄帝内經」
  「山海經」


「書」は孔子編纂とされていたことになる。
  「夏書」+「商書」+「周書

そして「毛詩」。
  國風+小雅/大雅+頌(宗廟歌舞)

さらに「禮」だが、官だけのようだ。
  周官(天官・地官・春官・夏官・秋官・冬官)
   +儀礼+礼記

「春秋」&"伝"は左丘明注釈書ということになる。
  「春秋左氏伝
  「春秋公羊伝」
  「春秋穀梁伝」

「論語」は子夏 etc. が編纂したようだが、この経典がハイライト。
  「魯論」
  「斉論」
  「古論(@古文)」…孔子旧宅を壊した際に発見。

「孝經」は曾子の著。
  天子+諸侯+卿大夫+庶人

:中庸 大学が含まれる。

書法は王朝にとって根幹にかかわること。知られているのはこんな流れ。・・・
【秦】
  丞相 李斯:"倉頡篇"
  中車府令 趙高:"爰歷篇"
  大史令 胡毋敬:"博學篇"
【西漢】
  (合併)⇒ 「倉頡」
【武帝】
  司馬相如:「凡将篇」
【元帝】
  史游:「急就篇」
【成帝】
  李長:「元尚篇」
【王莽】
  揚雄:「訓纂篇」
  

    

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